「うさぎの便は健康のバロメーター」とよく言われますが、どんな便なら健康なのかがわからない! そんなかたへ今回は、
- どんな便なら健康なのか
- どんな便だと下痢や病気の可能性があるのか
見わける方法をご紹介します。また「食ふん(盲腸便)」についても解説します。
うさぎの健康な便を4つの項目からチェック
うさぎの健康は、食欲や行動、見た目をチェックすることも大事です。しかし、もっともわかりやすいのは便の状態をみることです。
そのために、「健康な便の状態」というものを知っておく必要があります。
健康状態を把握するには便の
- 形
- 色
- 大きさ
- 1日の量
4つの項目からチェックするとよいです。
なお以下でご紹介するのはうさぎの平均例です。よって、多少個体差が生じる場合があります。
これを基準としながら「あなたのうさぎのいつもの便」の状態を把握できれば、よりよい健康管理をすることができます。実際に大きさや量をはかる、色を覚えておくなどをしておきましょう。
1.便の形
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— 福郎 (@fukurou_co) October 3, 2017
便の形はまんまるが基本
丸くて形が一定の便が、健康的なものです。
不揃いな形や、涙型といった丸型でない便があったら、腸が正しく機能していない可能性があります。
「うっ滞」や「毛球症」といった病気の可能性も考えられます。胃腸に気を使った、食物繊維の多い食生活(主にチモシーを摂らせる)を心がけるようにしましょう。
ゼリー状の便
腸に異常がある可能性があります。
水っぽい便
これは下痢です。
「ゼリー状の便」・「水っぽい便」どちらも腸炎などの病気の可能性が疑われます。できるだけ早く病院に連れて行ってください。
2.便の色
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うさぎの便の色は食べるものによってさまざまになります。基本としては茶色ですが、濃い茶色や牧草の緑色ならまず問題はありません。
黒色の場合
ペレットの与えすぎや、「うっ滞」などの胃腸の病気の可能性があります。
便に白色がみられた場合
カルシウム過多やギョウ虫である可能性が考えられます。
うさぎギョウ虫はうさぎにも人間にも悪さはしないので緊急性はありません。しかし、生活習慣を見直すことがギョウ虫の駆除に一番よいことです。
カルシウム過多の場合はペレットや野菜の与えすぎであることが考えられます。主にチモシー牧草中心の食生活になるようにエサを見直していきましょう。
ただし黒っぽい便でも、やわらかくブドウの房のような形をした便の場合は「盲腸便」といううさぎに必須の便です。心配はいりません。
3.便の大きさ
ペレットが違うだけで排便がこんなにも違う。左(小さい●)は、超有名なうさぎ専門店が推奨するペレット。右の大きい便はイースター社のバニーセレクションプロを与えている子の便。 pic.twitter.com/fp2kPq7CQl
— うさぎさん 小動物専門ペットホテル (@7463Ican) April 16, 2016
便の大きさもうさぎの食べるものによって、個体差が生じるものです。
直径8mm~1cmほどのものが基本とされています。
ちなみに、
- 1円玉の直径は20mm
- 5円玉の穴は直径約5mm
- 50円玉の穴は直径約4mm
うさぎの便のサイズを把握しておくことはとくに重要です。普段の便のサイズを覚えておくと健康状態がはかりやすいですよ。
- 便が小さくなったときには、消化器がうまく働いていない
- 「うっ滞」などの消化器系の病気
このような可能性が考えられます。
出典:ジェックス株式会社
4.1日の便の量
1日の便の量について『うさぎのしっぽ』では、
一日に見られる糞の量の目安としては、一日あたり5~18g/kgともいわれているようですが、やはり個体差はあるようです。もっとたくさんの量が見られるうさちゃんもいるようですので、普段の状態を知っておいていただくことが大切なのだと思います。
引用:うさぎのしっぽ
私が同サイトのQ&Aや、他うさぎブログなどの情報を調べてみたところでは、
1日の便の量
- 約360個で53g
- 183個で15g
かなり大きな違いがありました。つまり、便の量は個体差のとくに大きいものなのです。
あなたのうさぎの平均量を普段からはかっておくのが、健康への最善手。
トイレの幅から大体の量をはかる、紙コップに入れて軽量するなど工夫をして、自分のうさぎの便のいつもの量を覚えておきましょう。
うさぎの「食ふん」とは?
うさぎの「食ふん」は、うさぎが自分のした便を食べること。また食ふんに使う便そのものを指す言葉です。
食ふんに使う便はこれまでに紹介してきた「健康な便」とは異なり、画像のように黒く、臭いがあり、少しやわらかく、ブドウの房のような形をしていて、テカテカとしているのが特徴です。
これを食ふんまたは「盲腸便」と呼びます。
盲腸便はむしろうさぎの健康のために欠かせないものですので、決して処分はしないようにしましょう。
うさぎはどうして「食ふん」をする?
うさぎはこの盲腸便を食べることによって、栄養を補います。この食ふん行動は、子うさぎだけでなく大人うさぎもおこなうことです。決してやめさせないようにしましょう。
盲腸便は、タンパク質やビタミンが豊富に含まれていて、大切な栄養源です。
こうした便が出るのは、うさぎの特殊な消化器官のシステムによるもの。きちんと食べさせてあげましょう。
出典:町田修『ウサギの飼いかた・楽しみかた』
うさぎが盲腸便を食べ残してしまう
長期間盲腸便の食べ残しがある場合は、次のような原因が考えられます。
- 栄養過多
- 肥満
- ストレス
- 消化器官に問題がある
- 軟便気味、下痢気味である
どれである場合でも、要注意です。肥満の場合は食べたいのに「食べられない」状態です。結果的に「必要な栄養を摂れていない」ということになってしまいます。
ストレスや消化器官の問題による食べ残しも同様です。
また飼い主さんが軟便や下痢と、盲腸便を見間違えている可能性もあります。栄養過多の場合も、ペレットの摂りすぎが主な原因です。盲腸便から摂取できる栄養を摂らないのはあまりよいことではありません。
以上、消化器官や下痢などの病気の可能性も考えられます。できれば動物病院で検査を受けるのがよいでしょう。
うさぎの便トラブル!病気のときの便とは?
うさぎの便が気になる状態に……?
そんなときはまず、盲腸便ではないか、というところから確認してみましょう。盲腸便の特徴は、
- 黒っぽい
- 臭いがある
- やわらかい
- ブドウの房のような形をしている
- テカテカとしている
これらが大体当てはまったら、盲腸便です。心配はいりません。しかし、他の特徴が見つかったら……?
以下では、うさぎの便に発生しやすい「特徴」を挙げてみました。
「盲腸便でない」上で、以下のもののどれかに当てはまったら要注意! リストからチェックした上で、さらに詳しく見てみましょう。
うさぎの便がやわらかい
うさぎの便がやわらかいときには、軟便の可能性があります。
軟便をしているときには腸の機能が低下している可能性があります。病院で検査してもらうとよいでしょう。
やわらかい便というと、盲腸便が思い浮かびますよね。軟便と盲腸便の違いを見わけるのは難しいのですが、短期間の間に何度もやわらかい便をしているようなら軟便の可能性が高いです。
また軟便をすると、うさぎのおしりや周りの毛に便がついてしまうことがあります。その場合には部分浴や濡れタオルできれいにしてあげましょう。
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うさぎの便が下痢っぽい
盲腸便や軟便と違って、下痢は水気を多く含み、ほぼ液体という場合が多いです。
下痢をしているところや便自体を見ていなくても、おしりやおしり周りの毛に便で濡れ固まった跡があれば、それは下痢をしてしまった可能性があります。
- ストレスによる疾患
- 胃腸の病気
- 寄生虫感染症
など、さまざまな原因が考えられます。
うさぎの下痢にはできるだけ早い対処が望まれます。すぐに動物病院を受診しましょう。
うさぎの便が長い
うさぎの便が犬のフンのように、長くつながっているような形で出たら、それは軟便になりかけているという可能性が考えられます。
軟便対策には、消化器官の活性化が重要。チモシーなどの繊維質を多く含むイネ科の牧草を多く与えて、必要に応じてペレットの量を少し減らすようにしましょう。
また、毛で数珠のようにつながっている形で出たら、換毛期中であるがゆえの可能性が考えられます。
換毛期ではうさぎは自分で毛づくろいした毛を飲みこみ、便に出します。
便として出せているなら問題はありません。しかし、これが原因で「うっ滞」になってしまう可能性はあります。
うさぎだけに任せず、飼い主さんの手でもしっかりとブラッシングをして、うさぎの無駄な毛を落としてあげるようにしましょう。また、毛をきちんと排出できる腸をつくるために、繊維質を摂らせることも欠かせません。しっかりとチモシー牧草を与えましょう。
うさぎの便が臭い
うさぎの健康な便は、ニオイません。盲腸便にはニオイがありますが、体調不良の場合にもうさぎの便にニオイが出ることがあります。
臭いがある便はまず、軟便であるか、軟便まではいかないが不健康な便です。
どちらにしても、繊維質はうさぎのお腹を助けてくれる貴重な栄養素。繊維質が不足していると、便にはニオイが付きやすいのです。
ニオイが気になる場合には、まずうさぎの食生活の見直しからはじめてみましょう。
うさぎの便が小さくなった・量が少ない・便が出ない
これらの変化にはさまざまな理由が考えられます。
- 食事量が減った
- 繊維質不足
- ストレス
- 主に消化器官系の疾患
ストレスを抱えていることも、食事量が減ったことも、どちらも何かの病気につながっている可能性が考えられます。元気がない、食欲を失ってしまったときには、すぐに動物病院へ行きましょう。
また、そこまででもない場合でも、ストレスを抱える環境である、不適切な食事をさせているサインの可能性も。今一度、うさぎの置かれている環境や食事内容を見直してみましょう。
そうすれば、病気までには進行せずにおさめられるかもしれませんよ。
まとめ
今回のうさぎの便について、以下のポイントを再チェックしてみましょう。
- うさぎの健康的な便は丸くて緑か茶色、8mm~1cmで一定の大きさをしている
- うさぎの便は健康のバロメーター
- 健康をはかるには普段の便の形、色、大きさ、量を覚えておくとよい
- 病気のサインは便の異常から
- 盲腸便を食べさせることもうさぎの健康には重要
- 便に異常が出たら食生活を見直し、繊維質を多く摂らせるように心がける
- 下痢の際にはすぐ病院へ
このポイントをしっかり押さえて、あなたのうさぎの健康管理をあなたの手でやってみましょう。きっとうさぎも喜びますよ。
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