うさぎはお風呂に入れないと汚れてしまわないの? そもそもうさぎってお風呂に入れていいの? そんな疑問を抱いたことはありませんか?
実際にお風呂に入れている画像や動画を見たことのある人もいらっしゃると思いますが、本当に入れても大丈夫なのか、不安になりますよね。
今回はそんなうさぎをお風呂に入れることの必要性や注意点などを、徹底的に解説していきます。
うさぎにお風呂って必要なの?
まず結論から言うと、うさぎはあまりお風呂に入れるべきではありません。
理由としては、
- うさぎは水やお湯が苦手なので、ストレスを感じやすい
- 急な環境変化は強いストレスになりがち
- 身体を濡らすことによる体温変化で体調を崩しやすい
- 簡単な汚れなら、うさぎが自力で毛づくろいして落とせる
- 基本的な汚れはブラッシングで対処すべき
といったものが挙げられます。
体臭や皮脂なども出にくいので、毛づくろいやブラッシングで十分なキレイさを保つことができるのです。
しかし、だからといって「まったくお風呂に入れるべきではない」のかというと、それも違います。
- 皮膚を清潔に保たねばならない病気が診断されているとき
- 皮膚病、ダニなどの影響で大量のフケが出てしまっているとき
- 軟便などの影響でお尻周りが汚れてしまっているとき
こういった症状のときは、汚れてしまっている該当部分をきちんと洗ってあげることが大事です。そうしないと、病気が進行してしまうおそれがあります。
しかし、こういった場合には、なんらかの病気がつきもの。自己判断せずに動物病院へ行き、安心できる獣医さんに相談してからお風呂に入れてあげるようにしましょう。
うさぎのお風呂の入れかた
うさぎのお風呂の入れかたには、部分的にお尻まわりのみをシャンプーするパターンと、全身をシャンプーするパターンのふたつがあります。
現在なんのためにシャンプーをするのかをしっかりと考え、確認してから極力最低限で済むように、適切な方法を選んでください。それでは以下より方法を紹介します。
お尻まわりのシャンプー5ステップ
手順は以下の通りです。きちんとシャンプー液は落とすようにしましょう。
- お尻周りのフン尿や毛玉などを、手やタオルなどを使ってやさしく取り去る。
- シャワーから適温(40℃ほど)のお湯を出し、手にすくってお尻にしみこませる(このとき、①で取れなかった固まった汚れがある場合はふやけさせ、また汚れた部分以外をぬらさないようにする)。
- シャンプーを適量汚れにたらし、ていねいにもみ洗いする。
- 汚れが落ちたら、ぬるめかつ勢いの激しくないシャワーでやさしくすすぐ。
- 十分に流せたら、ペットタオルでしっかりと水気を拭き、ドライヤーで乾かす(なるべくタオルに吸わせ、ドライヤーの時間は短く済むようにする)。
全身シャンプー11ステップ
鷲見美紀著書『大切なうさぎのためのグルーミング&ケアBOOK』で紹介されている方法をお伝えします。少々長いですが、ひとつひとつていねいにやることが必要です。
- はじめにブラッシングをし、毛玉や抜け毛を取る。
- ペットタオルを2枚用意し、1枚は熱いお湯を含ませよく絞り、保温しておく。
- 40℃ほどのお湯にシャンプーを混ぜたシャンプー液を入れて、泡立てておいてから、足からゆっくりとうさぎを浸ける(このときうさぎが暴れても滑ったり溺れたりしないように、しっかりと保定しておく)。
- うさぎが落ち着いたら片手でうさぎを保定しつつ、もう片方の手でシャンプー液をなじませる。
- 全身に水分を含ませたら、うさぎをオケから出してからお湯を流す。
- オケの中に保温していないほうのタオルを敷き、うさぎを上に乗せる。
- うさぎの背中からシャンプー液を付けていき、よくマッサージする(このとき顔にシャンプー液がつかないように注意)。
- 汚れが落ちたことを確認したら、うさぎをオケから取り出し、オケのお湯を流す。流したらさきほどのペットタオルを再び敷き、うさぎの上に乗せたら、ぬるめかつ勢いの激しくないシャワーでやさしくすすぐ。
- しっかりすすぎ終わったら、再度うさぎをオケから出し、下に敷いていたペットタオルの水気をしぼる。お湯を流したら絞ったペットタオルを敷き、うさぎを上に乗せ、上から保温しておいたタオルをかけ、うさぎの押し当てるようにして水分を吸わせる。
- 下に敷いたタオルを上からかけたタオルと一緒に持ち上げ、うさぎを包み込み、テーブルなどに移動してから、タオルで極力水分をふき取る。
- 一通り拭き終わったら、片腕でうさぎを包み、ブラシをかけながらドライヤーで乾かす。
出典:鷲見美紀『大切なうさぎのためのグルーミング&ケアBOOK』
うさぎのお風呂はいつから可能?
基本的にうさぎは、生後2か月以降からお風呂に入れてもよいとされています。しかしこれはあくまで「身体がしっかりしてきた年齢」という目安です。
うさぎのお風呂はストレスになりやすいもの。ストレスに強くないうさぎや、ストレスに弱くなってしまっているうさぎは、お風呂に入れること自体が強いショックとなってしまいがちです。
- 生後2か月未満のうさぎ
- 高齢のうさぎ
- 皮膚になんらかの病気・異常のあるうさぎ
- とくにお風呂に入れるべき理由のないうさぎ
こういったうさぎは、あまりお風呂に入れないようにしましょう。
もし汚れなどが気になる場合は飼い主さんが自力でお風呂に入れようとせず、動物病院やペットショップで相談してから処置するようにしましょう。
うさぎが入るお湯の温度
『うさぎのしっぽ』の公式サイトによると、うさぎをお風呂に入れるときの温度は、基本的に38~40℃が目安と伝えています。正確に言うと、「現在のうさぎの体温から+1℃ほど」がちょうどよい湯温。
うさぎの平均体温は約38.5~40℃。うさぎの健康を十分に保つためには、現在の体温をはかってから温度を決めると、よりうさぎにとってストレスになりにくいお風呂になるでしょう。
出典:うさぎのしっぽ
うさぎにシャンプーを使ってもいいの?
うさぎの汚れをしっかり落とすには、やはりシャンプーは使ったほうがキレイな仕上がりになります。
しかし、決して人間用のシャンプーは使ってはいけません。うさぎの身体はとても刺激に弱いため、人間用のシャンプーを使ってしまうと、かえって皮膚に異常が出てしまうこともあります。
うさぎ専用の、刺激の少ないシャンプーがありますので、必ずそれを選んで使うようにしましょう。
また、同じく動物用のものに、洗い流す必要のない「ドライシャンプー」というものもありますので、普段シャンプーを使用したい場合にはこちらを使うのがオススメです。
お風呂上がりのドライヤーのかけかた
ドライヤーは、片腕でうさぎを包みこみながらその手でドライヤーを持ち、もう片手でブラシを持つという形でかけるのが基本です。
まず冷やすとよくないお腹からドライヤーをかけはじめ、しっぽとお尻の間を入念に乾かしつつ、全身を乾かす手順にしていくとマルです。
なお、ドライヤーの温風をあまり近くで当てるとうさぎにとっては熱すぎます。そのため適宜手で温度を確認しつつ、なるべくうさぎとドライヤーの距離を離しながら乾かしましょう。
うさぎがドライヤーを苦手だからといって濡れたままにしておくと、
- 体温調節がきかなくなり病気になってしまう
- カビが生えてしまう
などのトラブルも。
とはいえうさぎはドライヤーの騒音が苦手な場合が多いのです。できるかぎりペットタオルで水分を吸い取ってあげてから、手早くドライヤーで乾かしてあげることを心がけましょう。
お風呂に入れる頻度
お風呂に入れる頻度は、できるかぎり少なくするべきです。
日頃のケアはブラッシングでおこない、極力水やお湯に触れさせる機会を減らすのが、うさぎの健康にとってはベストでしょう。温度変化によって体調を崩す危険性や、水やお湯に触れること、ドライヤーの音を聞くことによるストレスは避けるに越したことはありません。
しかし、「どうしても」という瞬間はつきものですよね。
そんなときはひとりで迷わず、動物病院やペットショップに相談するのが1番です。
そもそもお風呂に入れなくてはならなくなっている原因を取り除いてもらう、プロの人の手により安心できる手法で身体を洗ってもらうなど、様々な手段はあります。
うさぎのためを思うなら、まず信頼のできる人や機関に相談してみましょう。きっと解決の糸口が見えますよ!
お風呂に入れる注意点
- ペットタオルはうさぎを洗う上で大事なアイテム。必ず複数枚用意しておくように。
- お尻やお腹はとくにていねいに洗う。前足は握手するようにやさしく洗う。
- 全身を洗ったときは、耳の中もやさしく拭いてあげる。
また「家でのシャンプーは難しい!」そんなときにはペットショップに行ってみましょう。シャンプーをしてくれるサービスをしているところもあるので、困ったときはプロに頼るのが1番ですよ。
なお、どうしてもうさぎの身体が汚れてしまう! という場合には、うさぎの体調だけでなく飼育環境に問題があるかもしれません。そんなときには、一度ケージの様子や掃除の仕方などを見直してみるとよいかもしれません。
まとめ
今回はうさぎのお風呂の入れかたについてご紹介しました。
うさぎのお風呂に関しては、以下の点に注意することを心がけましょう。
- お風呂を入れるのは必要最低限で
- 極力部分洗いで。手順をしっかり確認しよう
- うさぎの身体や年齢に問題がないかもチェック
- シャンプーは必ずうさぎ・小動物用のものを選んで
- ドライヤーを扱うときは温度に注意
- シャンプーに自信のないときは動物病院やペットショップを頼ろう
うさぎは基本、お風呂に入れる必要のない生きものです。その点をきちんと頭に入れておきつつ、適切なお風呂の入れかたをしましょう。
出典:うさぎのしっぽ
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