うさぎって歯ぎしりをするの……?
ゴリゴリ・カチカチ鳴らすのが聞こえる……
病気?機嫌が悪いの?
と思われるうさぎ初心者のかたもいると思います。なんと、うさぎは歯ぎしりをします!
- うれしいとき
- 興奮しているとき
また正反対の、
- 苦しいとき
- 痛いとき
などにコリコリ……キュッキュと歯をすり合わせてサインを発しているのです。
この記事では、うさぎの歯ぎしりの理由や特徴・大丈夫な歯ぎしりと病院に相談する歯ぎしりとの見分けかたなどを紹介していきます。
うさぎが歯ぎしりをする6つの理由と特徴
うさぎはうれしい・きもちいい・興奮している・痛い・苦しいなどのきもちを歯ぎしりで発しています。
鳴くことができないうさぎの数少ないサインのひとつなので、上手に読み取ってあげたいですね。
1.うれしい
音声あり
美味しい牧草をむしゃむしゃと食べているとき、うさぎはとてもリラックスしています。
そのためうれしいきもちになったとき、またきもちのよいときなどには牧草がなくても口をもぐもぐと動かし、軽くカチカチと歯ぎしりをしてしまうのです。
なでているときにカチカチ・コリコリと歯ぎしりをはじめたら、「とてもきもちよい、リラックスしているよ」というサインになります。
とても可愛らしい姿ですし、後述する「どこかが痛いときの歯ぎしり」などに気が付くためにも、普段からどんな歯ぎしりをしているのかチェックしてあげましょう。
2.興奮
うさぎはうれしいときに歯ぎしりをします。
きもちが高揚しているときに口を動かす習慣から、興奮しているときにも歯ぎしりをします。
興奮したときの歯ぎしりはとても力の入った歯ぎしりが多く、「ゴリゴリ」「ギリギリ」と音が大きいのが特徴。
高くジャンプしたり耳を振ったり、鼻をすんすん動かしたりしているときは、興奮しているとき。このとき同時に歯ぎしりをしているうさぎもよくみられます。
オヤツが欲しくて興奮して飛び回りながら歯ぎしりをするうさぎもよくいますが、これも「うれしい・興奮している」という表現のひとつです。
3.どこかが痛い
どこかが痛いとき、うさぎは我慢して歯ぎしりをします。
小さく丸まっておとなしくしているときに歯ぎしりをしているとき、うさぎが痛みに耐えている可能性が高いです。
元気がなくて歯ぎしりをしているのであれば、体の調子が悪いことを疑い、すぐに病院で診てもらいましょう。
- 歯ぎしりが長く続くとき
- 元気がないとき
こんな場合は要注意です。
4.歯が伸びている
うさぎの歯ぎしりには伸びすぎている歯を自分で削るという役割があります。
しかしながら、伸びすぎてしまった歯によって口の中が傷ついてしまっていて、痛みや違和感によって歯ぎしりをしているケースもあります。
うさぎの歯は切歯(上4本、下2本)と臼歯(上12本、下10本)からなっています。 うさぎのすべての歯は一生伸び続けます。(1ヶ月に1cm以上) 正常では、上下の歯の咬み合わせで削れているのですが、いろいろな理由でバランスが崩れるとうまく歯が削れずに、異常な方向に伸びて障害が発生します。治療が遅れると、目やに、膿がたまったり、食欲不振が深刻となり、衰弱死したり著しく体力が低下したりするので注意が必要です。
引用先:アイリスプラザ うさぎの不正咬合
治療として、伸びすぎて異常となったうさぎの歯を切断・削ることはできます。しかし、うさぎの不正咬合が完治することはありません。
生涯にわたっての定期的な措置が必要となってきます。
たとえ伸びてしまった歯が自分で切る・削れそうだと思っても、絶対に飼い主自身で処置することはやめてください。
かじり木を与えておけば治るだろうという安易な考えをすることもNGです。
うさぎの歯は固いものをかじるから削れていくのではなく、牧草などを食べる際に上下の歯をすり合わせることによってはじめて適切な長さが保たれるのです。
不正咬合を予防するには、牧草をたくさんあげましょう。
5.ストレス
うさぎはストレスに弱く、またストレスを感じやすい生きものです。
- エアコンの風があたっている
- あまり遊ばせていない(運動不足)
- 噛みたいのに噛めない環境下にいる(かじり木などがない)
- 家具があたらしくなった
- 見知らぬお客さんが来ている
などストレスの原因はいろいろと考えられます。
ストレスがたまると、
- 食欲がなくなり、硬いものを食べずに歯が伸びすぎてしまう
- 無駄にケージを噛んでしまうことにより不正咬合を引き起こす
- ストレスが重なると消化不良を起こし排便がうまくできずにうっ滞になってしまう
などの病気につながる可能性もあるので注意が必要です。
6.食欲不振
食欲不振の際、歯ぎしりをしていることから考えられるのは不正咬合です。
うさぎは本来、主食である牧草をもぐもぐと歯をすり合わせながら食べることで、適正な長さの歯を保持しています。
しかし、人間がおやつを与えすぎたり、やわらかな野菜を与えすぎたりしてしまい、牧草を食べる機会が減少。
そうすることにより、歯が必要以上に伸びてしまい口の中を傷つけてしまうことがあります。
口の中が痛いと、例えば口内炎ができた人間と同じように、食欲が減退しまいます。
これがひどくなると、歯の伸びすぎからうっ滞・体力の低下など……命にかかわる問題につながってしまうのです。
このように食欲の減退でごはんを食べなくなってしまったうさぎにも、胃腸を動かしてうっ滞を防ぐためには矯正給餌をおこなわなければなりません。
- ふやかしたペレット
- 野菜のすりおろし
- 糖分不使用の野菜ジュース
などといったものをシリンジ(注射器)や、スポイトを使用し口に流し込んであげましょう。
ここで時間をかけてしまうとうさぎが強烈なストレスを感じてしまうので、素早くあせらずうさぎのペースに合わせてください。
- 普段から口をもごもごしている
- リラックスしているわけでもないのに歯ぎしりがみられる
といった姿に気づいた場合は、すぐに獣医さんに相談して診てもらいましょう。
寝ているときの歯ぎしりは?
うさぎも人と同じく、眠りながら歯ぎしりをする場合があります。しかし、人の歯ぎしりのように、嫌なきもちで歯ぎしりをしているというわけだけではありません。
夢の中で楽しいことをしている・美味しい牧草を食べている可能性があります。
高齢の子の歯ぎしりは何かの意味がある?
高齢だからといって特別な意味があるということはありません。
- うれしい・興奮している
- 苦しい・痛い
などのように、若いうさぎさんと同じような理由で歯ぎしりをしています。
「歯ぎしり」3つの見分けかた
歯ぎしりの見分けかたは、そのときどきのうさぎのしぐさによって見分けられます。
1.うれしいときの歯ぎしりは
- 頭をなでてもらっているとき
- オヤツをもらったとき
にコリコリ・モグモグと鳴らします。
2.興奮しているときの歯ぎしりは
- 高く飛び跳ねている
- 鼻をふんふん・すぴすぴならしている
- 耳を振っている
などの行動と共に、ギリギリと大きめの歯ぎしりをします。
3.病院に相談する歯ぎしり
- 小さく丸まりながら歯ぎしりをしている
- おとなしく歯ぎしりをしている
このような場合は痛みをこらえておとなしくじっとうずくまりながら歯ぎしりをしています。
まとめ
- その歯ぎしりが、大丈夫か病院にいくかの見分けかたは、うさぎのしぐさから見分けられる
- なでられているときなど、うれしいときの歯ぎしりはリラックスしているサイン
- 興奮しているときの歯ぎしりはゴリゴリ・ギリギリと大きめで、体を動かしている姿が見られる
- 苦しい・痛いときは小さく丸まっておとなしく歯ぎしりをする
- 不正咬合は牧草で予防!
歯ぎしりは、うさぎからのうれしい感情を伝えるとともに「苦しい」「痛い」などといった、不調を隠しがちなうさぎからのサインです。
ゲージから出してあげると、運動不足を解消できるとともに、「ストレスをなくす・うさぎのしぐさや行動がよくわかる」、このような効果が期待できます。
だから、ゲージから出して遊ばせてあげることをおすすめします。
私も経験があるのですが、へやんぽ中になでなでしてあげている際に、お口をもぐもぐしてくれたときの幸せ感はすさまじいものです。
うさぎの姿を観察していて、少しでも元気がない……この歯ぎしりはおかしいな? と気が付いたらすぐに獣医さんに相談しにいきましょう。
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