うさぎの介護という言葉を聞いたことはありますか? 飼い主さんだけでなく、うさぎにも年齢・寿命はあります。長く飼っているとうさぎも高齢になり、さまざまな処置が必要になる可能性も。
そんななか健康寿命を保つためには、知っておきたいポイントがあります。ここでは、高齢になると起きる現象や、具体的な対処法を徹底解説します。
うさぎの高齢(シニア)は何歳から?
うさぎが「高齢(シニア)」と呼ばれるようになるのは、7歳からが一般的。
うさぎの青年期はおよそ5歳まで。5歳を超えると、活力がしだいにおとろえ、人間でいう「中年」に突入します。
そこからさらに7歳になると、まさにシニア世代のうさぎとなるのです。
なお、うさぎの寿命は7~8年といわれています。高齢期に入ると、うさぎのなかでも長生きの部類に入るといっても過言ではないでしょう。
わかりやすく人間換算をすると、7歳のうさぎは人間でいう58歳、10歳のうさぎは人間でいう76歳になります。
うさぎの年齢について、くわしくはこちらの記事をご覧ください。
>>うさぎの年齢【人間換算早見表付】15歳だと100歳以上!特徴で歳を見わける
うさぎが高齢になると出てくる7つの症状
うさぎが高齢になると、体に大きな変化が起こり、主に以下のような症状が出てくるようになります。
- 食べなくなり痩せてくる
- 足腰が弱くなる
- 寝ていることが増える
- トイレがうまくできない
- 歯が弱る・骨折
- 目が悪くなる
- 毛づやが悪くなる
症状が出てくる時期は、個体によってさまざま。
どのような症状が出るようになるかもわかりません。だけど、いざというときにはしっかりと対処ができるようにしておきましょう。
1.食べなくなり痩せてくる
うさぎは高齢になるとだんだんと意欲や運動量が落ちていき、食生活や味覚も変化するといわれています。それによって、食欲不振になる傾向にあります。
今まで気に入っていたエサを食べないようになり、しだいに体重減少を起こす危険性も。
これを防止するためにも、日ごろから食べるペレットや牧草の量はチェックしておき、いざ高齢になったときに食事量が減っていないか確認できるようにしておきましょう。
2.足腰が弱くなる
うさぎは加齢とともに、足腰が弱くなっていきます。
立てなくなる、ふらつきや転倒がみられるなど症状の程度はさまざまです。
もしうさぎに転ぶ、立てないなどの行動がみられるようになったら、獣医師に相談の上、対処をおこなうようにしましょう。
3.寝ていることが増える
うさぎは高齢になると、活動が控えめになり寝ていることが増えます。
老化にともない体力が減り、活発に運動することができなくなるからです。
4.トイレがうまくできない
うさぎは高齢になると足腰が弱くなり、思うように動くことができなくなるため、トイレがうまくできなくなる可能性も。
これまで特定の場所にうんちやおしっこをしていたうさぎも、トイレでしなくなる、なんてことが起きるのです。
こういったときには、専用のトイレシートを床に敷くなどをして工夫しましょう。
また、おしっこをトイレ外でしてしまうと、下半身がぬれてしまいます。
ぬれた体をそのままにしておくと、毛がぬけたり、皮膚炎になったり、という危険性があります。
下半身のケアを必ずおこないましょう。
また軟便や下痢、血尿などがみられた場合には、消化器官に異常がある可能性も。獣医師に相談しましょう。
5.歯が弱る・骨折
うさぎは骨が弱く骨折しやすい動物ですが、高齢になるとより体が弱り、骨折しやすくなってしまいます。
これまで以上に周辺の環境には注意し、うさぎが転倒・落下をしないように気を配りましょう。
6.目が悪くなる
うさぎは高齢になると、目が悪くなります。
自分で目のケアをすることが少なくなるため、目やになどが溜まりやすくなります。
また、加齢によって「白内障」なってしまう可能性も。
白内障を完全に治すことは残念ながらできません。しかし、進行を遅らせることはできます。
はやめに獣医師へ相談しましょう。
7.毛づやが悪くなる
うさぎは高齢になると体力が減り、自分で毛並みをお手入れすることも減ります。
そのため、だんだんと毛づやが悪くなってしまうのです。
毛並みを保つためには、これまで以上に飼い主さんがグルーミングをサポートすることが大事。
ただし、グルーミングのしすぎはかえってうさぎにストレスになってしまいます。ほどほどにお手入れをするようにしましょう。
うさぎの介護
うさぎは高齢になると、思うように食事ができなくなったり、自分でお手入れができなくなったりします。
そのため介護が必要になる場合があるのです。以下では食事や環境、またペット保険などの対処法をご紹介します。
生涯寿命だけでなく、健康寿命ものばしていきましょう。
食事をシニア用に変更する
うさぎは高齢になると、必要な栄養が変わってきます。
栄養価の高いアルファルファ主原料のペレットなどは、栄養過多となりかえって肥満や病気などを助長してしまう可能性も。
ペレット選びはチモシー主原料のものにし、必要であればシニア用のペレットに変更し、適切な栄養を確保させましょう。
牧草への食いつきが悪くなった場合は、2番刈り、3番刈りなどやわらかいものに変更するとよいでしょう。
ここで大事なのが、無理にシニア用のエサへと変更をしないこと。
うさぎにも個体差があるので、7歳になったからといって急にペレットを変えると、かえって食いつきが悪くなってしまう可能性があります。
高齢うさぎに栄養価が釣り合わない場合や、食いつきが悪くなった場合にのみ変更をするとよいでしょう。
どうしても食べものを食べなくなってしまった場合には、すぐに獣医師へ相談してください。
うさぎのペレットについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください。
>>うさぎのペレットランキング10|人気商品を楽天市場でリサーチ
強制給餌の方法を覚えておく
うさぎは高齢になると、体力が落ちすぎる、寝たきりになるなどによって、自分で食事がとれなくなる可能性があります。
そのため、強制給餌(きょうせいきゅうじ)のやりかたを覚えておくとよいでしょう。
強制給餌は「シリンジ」という道具を用いて、うさぎの口へ直接食べものや水を注入するエサやり方法のことです。
強制給餌はうさぎが病気で食欲がなくなったときにも役立つので、いざというときのために覚えておくとよいでしょう。
くわしい手順は、以下の動画をご覧ください。
音声あり
ケージの環境を整える
うさぎの高齢化にあたって、うさぎは足腰が弱くなり、ちょっとした段差にもつまずきやすくなります。
そのため、なるべく段差をなくし、また専用の床ずれ防止マットを敷くなど、バリアフリーな環境を整えるようにしましょう。
また自分でトイレに行けないうさぎのためには、トイレシーツを敷くなどといった配慮も忘れないようにしましょう。
また、ケージ外の部屋の温度を整えることも重要。うさぎに適した温度は18~24℃です。よりデリケートになったうさぎの体へ、やさしく配慮をしましょう。
保険に入れるか確認する
うさぎは高齢になると、ペット保険に新規加入することができなくなります。
具体的に何歳まで加入できるかは、対象の保険によって異なります。
保険は高齢になると多発しがちな病気やケガに保障をしてくれるサービスですが、保険によってサービス内容もさまざまです。
一つひとつの内容を確認して、必要があれば加入しましょう。
うさぎの保険について、くわしくはこちらの記事をご覧ください。
グルーミング
高齢のうさぎは自力でグルーミングをおこなうことが難しくなります。
そのため、飼い主さんがしっかりとグルーミングをサポートしてあげるのがベスト。
グルーミングの方法は、これまでと変わりないやりかたで問題ありません。うさぎにストレスをあたえないように、丁寧なグルーミングを心がけましょう。
グルーミングについて、くわしくはこちらの記事をご覧ください。
>>うさぎのブラッシング方法を動画で解説!お腹を嫌がる子に使える2つの裏技
生涯寿命から健康寿命へ
医療技術の発展により、うさぎの「生涯寿命」は年々増加傾向。
生涯寿命に対して、「健康寿命」というものがあります。こちらは病気や寝たきりなどにならず、健康に暮らせている時間のことです。
今回ご紹介した高齢化の特徴や対処法を見直し、うさぎの健康寿命をのばしていきましょう。
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