いつも鼻をぴこぴこさせているうさぎ。たまに口をもぐもぐさせているところも見ますよね。
ここでは、うさぎが口をもぐもぐさせているときについて徹底解説。
病気ではないか、どのような意味があるのかなどを説明します。
うさぎの口がもぐもぐする4つの理由
音声あり
うさぎが口をもぐもぐさせているのには、以下のような理由があります。
- 不正咬合(ふせいこうごう)
- 牧草が歯にくっついている
- リラックスしている
- 食ふんをしている
もちろん、エサを食べているときや、エサを食べ終わってすぐのときは口をもぐもぐさせていてもおかしくはありません。
しかし、あまりにも長く口をもぐもぐさせているときには、何か理由があるかもしれません。
緊急性を要するものは少ないですが、不正咬合の場合は要注意です。
1.不正咬合
うさぎが口をもぐもぐさせているとき、まず考えられるのが「不正咬合」という歯の症状。
うさぎは一生歯が伸びつづけるという特性を持った動物。特徴的な前歯から一見見えにくい奥歯まで、すべての歯が伸びつづけます。
この歯の過剰な成長や、何かの原因で噛み合わせが悪くなってしまうことにより、不正咬合が起こります。
不正咬合になると、
- 口内を傷つける
- 食欲がなくなる
- 消化器官に影響が出る
などのさまざまな困った症状が。もしうさぎの食欲に変化がある、口内がおかしいなどの変化を見つけたらまずは歯のチェック。
上の歯が下の歯にかぶるようになっている状態が、正常なうさぎの歯です。
もしも歯が曲がっている、下の歯が飛び出てしまっているなどの異常を発見したら、自力で治すことを考えず動物病院にて検査してもらいましょう。
出典:みわエキゾチック動物病院
不正咬合の治療・予防
もしうさぎが不正咬合になってしまっていたら、動物病院で処置をしてもらう必要があります。
動物病院での処置は、歯を切ったり削ったりすること。うさぎが暴れないように麻酔や鎮静が必要となるので、うさぎへの負担もつきものです。しかし、不正咬合を悪化させると食欲の低下や口内のケガなど、のちのちに響く手痛い症状が出てしまう可能性があります。
うさぎが不正咬合になっている、なりかけている場合には、後述するいくつかのサインが必ずあらわれることでしょう。
その一つひとつを把握して、うさぎに負担をかけないよう、はやめの動物病院への受診が不可欠です。
不正咬合はもちろん、予防することも可能。
うさぎによっては先天的に不正咬合となってしまっている場合もありますが、後天的なものなら
- チモシー1番刈りなどのかためのエサをあたえる
- ペレットをあたえすぎない
- ケージの網を噛ませない
などで予防することができます。
うさぎは、かたい草をしっかりすり潰すことで歯の長さを調整する動物。やわらかくないエサは食いつきが悪いかもしれませんが、歯の健康のためには必要不可欠。
すり潰すのではなく、噛み砕くペレットは不正咬合予防にはならないので、あたえすぎないようにしましょう。
また、不正咬合の原因として、かたすぎるケージを噛んでしまうことも挙げられます。
専用のフェンスを設置する、かじり木を設置することでケージの網を噛まないように工夫をしましょう。
出典:みわエキゾチック動物病院
2.牧草が歯にくっついている
うさぎが口をもぐもぐさせているとき、よくあるとされているのが、歯に牧草がくっついているとき。
または、歯に牧草が挟まっているときにももぐもぐさせることがあります。
あなたも、歯にものが挟まってしまうなんてこと、よくありますよね? それと同じように、うさぎも牧草を引っ掛けてしまうことがよくあるのです。
この場合は特に問題ありません。牧草がとれれば、自然ともぐもぐも落ち着くでしょう。
3.うれしいとき
うさぎはうれしいとき、歯を鳴らす習性があります。おやつをもらった、なでてもらったときなどに「カチカチ」と小さく奥歯を鳴らすのです。
また、興奮しているときにも「ゴリゴリ」と少し大きく奥歯を鳴らします。
このように歯を鳴らしているときに、口のもぐもぐした動きを見ることになるでしょう。
この場合はうれしい、興奮しているという感情をあらわしているだけなので、とくに問題はありません。
僕も興奮するとゴリゴリしちゃいます。
4.食ふんをしているとき
うさぎにエサをあげていないのにもぐもぐしている! と思っても、よく見るとうんちを食べているかもしれません。
うさぎには「食ふん」と呼ばれる習性があり、ぶどうの房のような形をしたやわらかいうんちを食べることによって、必要な栄養をとります。
この場合はとくに問題はありません。うんちを食べるなんて最初はびっくりするかもしれませんが、うさぎにとっては必要な行為。決してやめさせないようにしましょう。
うさぎの口に関する病気や症状
うさぎの口に関する病気や症状には、以下のようなものがあります。
- 口内炎
- よだれが多い
- 歯ぎしりが多い
- 口の中のケガ
- くちゃくちゃいっている
口や歯に関するトラブルは基本的に不正咬合が原因ですが、その不正咬合の予兆となる動作や行動といったものも必ずあらわれます。
一つひとつを把握して、確実に不正咬合へ対処できるようになりましょう。
口内炎
うさぎの口の中にできものがある場合は、口内炎というよりも、不正咬合によるキズが元で潰瘍などができるケースが多いのです。
もしうさぎの口の中に口内炎のようなものを見つけたら、まずは不正咬合を疑いましょう。
よだれが多い
うさぎのよだれが止まらない場合にも、不正咬合の可能性が考えられます。
不正咬合になっていると、出てくるよだれをうまく調整できず、そのまま流れ出してしまう場合が多いのです。
また、不正咬合の処置をした直後にも、よだれが溢れてしまうことがあります。この場合は少し時間をおけばよくなるはずです。
もししばらくしてもよだれが止まらないようであれば、別の原因も考えられるので動物病院で相談をしましょう。
出典:うさぎのしっぽ
歯ぎしりが多い
うさぎが歯ぎしりをするときは、以下のようなパターンがあります。
- うれしいとき
- 興奮しているとき
- 不正咬合
- ストレスを感じている
- 痛みを感じている
うれしいときや興奮しているときの歯ぎしりは問題ありませんが、不正咬合により歯の違和感を覚えているときの歯ぎしり、またストレスや痛みによる歯ぎしりには注意。
とくに丸まりながら歯ぎしりをしているとき、大人しく歯ぎしりをしているときは、痛みに耐えている可能性があります。できるだけはやく動物病院へ連れて行きましょう。
口の中のケガ
口の中のケガは、基本的に不正咬合による噛み合わせの悪さによって作ってしまうもの。
不正咬合対策には歯を切るなどの処置が必要なので、動物病院へ相談しましょう。
くちゃくちゃいっている
うさぎが口をくちゃくちゃさせている場合には、基本的に歯の問題である可能性が考えられます。
不正咬合により噛み合わせが悪くなり、くちゃくちゃとさせてしまうのです。
また可能性としては低めですが、エンセファリトゾーン症という神経系の病気である可能性も否定はできません。
うさぎの健康のためにも、まずは動物病院で見てもらうことが重要です。
出典:うさぎのしっぽ
うさぎの口の構造
うさぎの口の中には、大きな前歯と小さな奥歯があります。
前歯のことを切歯(せっし)といい、奥歯のことを臼歯(きゅうし)というのです。
切歯
- 上に2列に並ぶようにして4本
- 下に2本
合計6本
臼歯
- 上の左右に6本ずつ
- 下の左右に5本ずつ
合計28本の歯があります。
この28本の歯すべてが、一生伸びつづける歯なのです。
出典:田向健一『かわいいウサギの飼い方・育て方』
まとめ
今回はうさぎの口や歯のトラブル、くちゃくちゃの原因についてご紹介しました。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 歯のトラブルの大体は不正咬合
- もぐもぐは不正咬合のサインかも?
- それ以外の原因もある
- よだれや歯ぎしり、口内のケガなども不正咬合も予兆かも
- 不正咬合の治療は病院で
- チモシーを使った予防も効果的
- うさぎの歯は28本
うさぎの歯のトラブルは食生活にもつながる大事なポイント! しっかりと予防をして、適切な治療をおこないましょう。
出典:みわエキゾチック動物病院
出典:うさぎのしっぽ
出典:田向健一『かわいいウサギの飼い方・育て方』
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