うさぎのオスとメス、どちらが飼いやすい? 性別によってどんな違いがあるの?
うさぎを飼おうと考えたとき、品種や毛の色だけでなく、性別もどちらにするのか迷いますよね。
うさぎの個性にもよりますが、一般的な性格は、
- オスは自己主張が強く人懐っこい
- メスは独立心が強くマイペース
といわれています。
実はうさぎの性別判定は、子ウサギのあいだはとても難しく、「オスだと思って飼っていたのに、突然赤ちゃんを産んでびっくりした!」
というエピソードがあるほど。獣医さんでさえも間違えることがあるくらい、見分けるのは至難のわざなのです。
今回はそんなうさぎの性別について、オスとメスの見分けかた、行動や性格の違いについて、じっくりと紹介していきます!
うさぎの性別5つの見分けかた
うさぎのオスとメスの違いは、
- たまたま:睾丸
- 生殖器
- 乳首の有無
- 肉垂(にくすい)
- 行動
などにあらわれます。これらの違いは、おとなになるにつれてはっきりしてくるもの。
生まれて間もない子ウサギでは、行動などの違いはもちろん、生殖器も非常に見分けがつきにくいのです。
それでは、見分けかたのポイントをくわしく説明していきましょう。
1.たまたま(睾丸)の有無
オスとメスのもっともわかりやすい違いは、たまたま(睾丸)があるかないか、です。
オスうさぎの睾丸は、小さいうちはおなかの中に隠れていて外からは見えません。
生後3~4ヶ月くらいになると、じょじょに陰嚢(いんのう)内に降りてきます。
生後6ヶ月を過ぎるころには、はっきりと確認できるようになります。陰嚢はピンク色で、たらこのような形をしており、毛もあまり生えていません。
2.生殖器の位置
オス、メスともに、生殖器はうしろ足の付け根にあります。うさぎをやさしく仰向けに抱っこして確認しましょう。
性成熟を迎える月齢になると、睾丸があればオスとすぐにわかります。
まだ小さい子ウサギの場合は、
- オスは、生殖器の先が丸く、肛門との距離が長い
- メスは、生殖器がスリット状で、肛門との距離が短い
という特徴が。
しかし、生後2ヶ月ほどまでは違いがはっきりしていないので、判別するのはとても難しいです。
オスの生殖器(子ウサギ)
メスの生殖器(子ウサギ)
画像引用:Drツルのエキゾチックアニマル情報室
3.乳首の有無
うさぎの乳首は4~5対(8~10個)あります。メスうさぎが性成熟を迎えるころには、かなりはっきりわかるようになります。
オスでも乳首が目立つ子もいたり、小さいうちはメスでも目立たなかったりするので、乳首の有無だけでは性別をはっきりと判別するのは難しいでしょう。
4.肉垂(にくすい)の有無
こう見るとコレットの方が肉垂がすごいな。どっちも女の子なのに#うさぎ#うさぎ好きさんと繋がりたい pic.twitter.com/HmRqxj6esX
— うさぎ (@si_kuwa_sa_) January 19, 2019
首もとにできるマフラーのようなふくらみは肉垂(にくすい)といい、おとなのメスうさぎの特徴です。
ふくらみの中身は脂肪で、赤ちゃんを産み、育てるメスうさぎにとって、エネルギーを溜めておくという役割があります。
野生で暮らすうさぎにとっては、冬のあいだのエネルギー源にも。
ネザーランドドワーフなどの小型種は、からだに脂肪がつきにくく、メスでも肉垂ができない子もいます。
飼いうさぎの場合は、肉垂の大きさは肥満のバロメーター。
肉垂が大きくなりすぎると、夏場に熱がこもりやすくなったり、皮膚炎が起こりやすくなったりするリスクもあります。
肥満はほかの病気を引き起こす原因にも。バランスのとれた食事や適度な運動で健康管理をしてあげましょう。
5.行動の違い
性別による行動の違いは、とくに性成熟が始まる3~4ヶ月ごろから目立つようになってきます。
このころは、うさぎにとって「思春期」の始まり。自己主張が強くなったり、そこらじゅうでオシッコをしたり、飼い主さんにとっては、困った行動をとることが多くなることも。
オスは、
- あちこちでオシッコをまき散らす(スプレー)
- 噛みつく
- マウンティング
をして、自分の地位をアピールし、なわばりを広げようとします。
メスは、
- 気が強くなる
- 攻撃的になる
- 偽妊娠
などの行動が見られます。これらは安全に子育てができる環境を確保するための本能的な行動です。
偽妊娠とは、妊娠していないのに、自分の毛を抜いたり、牧草を集めたりしてケージの中に巣作りを始める行動です。
ホルモンの作用により、外部からの刺激を交尾と勘違いして実際に排卵が起こります。偽妊娠は巣を片づけると15~20日ほどでおさまるので、様子を見てそっとしておきましょう。
マウンティングはオスに多く見られますが、「相手よりも自分の立場が上」ということを示す行動でもあるので、メスにも見られます。
このような思春期の行動に対しては、うさぎの気持ちを理解してあげた上で、「ダメなことはダメ」としつけをおこなうことも大切。
また、うさぎがストレスを解消できるような工夫をしてあげましょう。
オスとメスで性格の違いはある?
- オスはなわばり意識が強く自己主張がはっきりしている反面、人になつきやすい。
- メスは自立心が強くマイペース。飼い主に対してもクールな対応。
という違いがあります。
ただし、それぞれのうさぎの個性ももちろんあり、オスでもクールだったり、メスでも人懐っこかったり、いろいろな性格の子がいます。
日ごろのコミュニケーションをしっかりとって、うさぎの性格や気持ちを理解してあげましょう。
うさぎの性別が間違いだったら
ペットショップやうさぎ専門店で販売されるのは、生後2ヶ月くらいの子ウサギです。
先に説明したように、そのころはまだオス・メスを見分けることが非常に難しく、「性別不明」とされていたり、間違った性別がつけられていたりすることもあります。
「もしかしたら違う可能性があるかも」ということは、頭の片隅に置いておいてくださいね。
もし複数で飼うことを検討している場合は、性別は重要です。
- オスどうしでは縄張り意識が強すぎてケンカになりやすい
- オスとメスだと、去勢、不妊手術をしていなければすぐに子供が生まれる
- メスどうしは相性がよければ仲よくなりやすい
というように、組み合わせを考慮しなければなりません。
「オスだと思っていたのに赤ちゃんを産んだ」という、予想外のハプニング(赤ちゃんの誕生はもちろん喜ばしいことですが)を避けるためにも、ケージは1匹ずつ個別に用意しましょう。
そして、性別がはっきりしてくる3~4ヶ月ごろに、動物病院で確認してもらってから、一緒に過ごさせるようにしましょう。
うさぎのオスは去勢が必要?
オスのスプレー行動やマウンティングなどが激しくなっているときは、去勢手術も解決策のひとつです。
これらの行動は思春期にとくに激しくなり、年齢とともに落ち着いていくことがほとんど。
しかし、問題行動が改善せず、うさぎと飼い主さんの関係も悪化してしまうことも。そんなときは、去勢手術を受けることで、おだやかに暮らせるようになることが多いです。
オスの場合は、スプレー行動やマウンティングが減り、性格もおだやかになります。
メスの場合も不妊手術をすることで、性格がおだやかになり、将来的な子宮の病気を防ぐというメリットも。
ただし、去勢、不妊手術は全身麻酔でおこなうため、リスクもしっかりと考えなければなりません。信頼できる獣医さんと相談しながら決めてくださいね。
我が家のうさぎはオスですが、去勢手術はしませんでした。性格的におっとりしているからか、思春期の自己主張もそこまで激しくなかったのですが、掃除のときなどトイレを触るといまだにスプレー攻撃をすることがあります。一度、オシッコが私の目を直撃してしまい、大変でした……。
まとめ
今回のうさぎの性別についてのポイントをまとめると、
- 子ウサギの性別を判別するのは難しい
- オスのたまたま(睾丸)は、ある程度成長しないと確認できない
- 思春期を迎えると、性別によって行動が変わってくる
- 去勢や不妊手術のメリットとリスクを理解する
となります。
性別による本能的な行動を理解することはとても大切。
ですが、オスだから、メスだから、といった先入観を持たずに、日頃からたくさんコミュニケーションをとって、うさぎの気持ちや性格を理解し、よりよい関係を作っていきましょう。
画像引用:Drツルのエキゾチックアニマル情報室
出典:うさぎと一生暮らす本 株式会社マガジンランド
出典:ウサギの飼い方・楽しみ方 成美堂出版
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