うさぎは新鮮な野菜が大好き。野菜をモリモリ食べている姿は、見ているだけで幸せな気持ちになりますよね。
夏野菜の代表格ともいわれるとうもろこし。ゆでたてにかぶりつくと、プチプチした食感とジューシ―な風味がたまらないですよね。
人間とおなじように、甘みのあるとうもろこしを好んで食べるうさぎは多いです。
とうもろこしは野菜に分類されていますが、じつは米や麦に並ぶ世界三大穀物のひとつ。栄養価も高く、ビタミンなどのミネラルも豊富に含まれています。
穀物と聞くと、草食動物のうさぎにあげても大丈夫? と疑問に思うかたもいるかもしれません。
今回は、うさぎにとうもろこしをあたえるときのコツやとうもろこしに含まれる栄養素などをくわしく紹介します。
うさぎはとうもろこしを食べていい?
とうもろこしは、うさぎにあたえてもいい野菜です。
ただし、とうもろこしの実は、野菜の中ではカロリーが高く糖質が多いため、食べすぎには注意が必要。
甘みが強いので嗜好性が高く、牧草やペレットを食べなくなったり、肥満の原因になったりします。
糖質が多く含まれるものをうさぎが食べると、腸内での発酵が異常に起こり、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増加してしまいます。最悪の場合は、腸毒素血症で死に至ることも。
おいしそうに食べると、どんどん食べさせてあげたくなりますが、うさぎの健康のためにあたえすぎには注意しましょう。
音声あり
とうもろこしのあたえかたは生?ゆで?乾燥?
うさぎにとうもろこしをあたえるときは、生のままでも、ゆでても、乾燥したものでも問題はありません。
生のとうもろこしは鮮度が落ちるのがとても早いので、新鮮なものを選びましょう。
生のままか? ゆでるか? という点でいうと、
生のとうもろこし
- もともと野生のうさぎは、加熱したものを食べる習慣はない
- ゆでることによって、含まれるビタミンなどの栄養素が減ってしまう
このようなことから、生のままあたえるほうが自然といえます。
ゆでたとうもろこし
小さいころからゆで野菜を食べ慣れているうさぎの場合は、ゆでたものも食べますが、加熱するとにおいなども変わってしまうので、警戒して食べない子も多いです。
乾燥させたとうもろこし
乾燥させたとうもろこしは、小動物のおやつとしても市販されています。
実をフリーズドライさせたものや、ヤングコーンをそのまま乾燥させたものなどがあります。
季節を問わず入手できますが、あたえるときは、おやつやごほうびとして少量にしましょう。
https://www.amazon.co.jp/フリーズドライ-とうもろこし粒々-10g-小動物用のおやつ-無添加/dp/B01LZHH61H/ref=sr_1_21?ie=UTF8&qid=1551533760&sr=8-21&keywords=%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8E+%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%B7
とうもろこしのひげは?
うさぎはとうもろこしのひげを食べます。ひげには、栄養素が多く含まれており、甘みもあります。
ひげが茶色になったら、とうもろこしの実が熟して食べごろというサイン。
また、ひげの数は粒の数とおなじなので、ひげが多いものには粒もたくさんあります。
うさぎにあたえるときは、ひげの先端の茶色い部分は取り除いてからあたえましょう。
皮と一緒に捨ててしまいがちなひげですが、人間も食べられます! 細かく刻んで料理に入れてもいいし、手軽に栄養がとれる「とうもろこしのひげ茶」も売られていますよね。
ひげは漢方薬の生薬にもなっており、
玉米鬚(ぎょくべいしゅ)
南蛮毛(なんばんげ)
とよばれています。
栄養素としては、カリウムが豊富に含まれており、足がむくみやすい飼い主さんにもオススメですよ。
またコレステロールを下げる作用
高脂血症対策
にもなります。
出典:薬日本堂、漢方ライフ
うさぎがひげをモシャモシャとほおばっている姿は、まるで麺を食べているみたい!? とってもおいしそうに食べているので、食べてみたくなりますね。
とうもろこしの芯は?
とうもろこしの芯もうさぎは食べられます。
とうもろこしが大好きな子は、芯までペロリと食べてしまうことも。芯にも、とうもろこしの実と同じ栄養分が多く含まれて、甘みもあるのです。
とうもろこしの皮は?
うさぎはとうもろこしの皮も食べられます。
とうもろこしは収穫したら、時間が経つにつれてどんどん鮮度が落ちていきます。皮の緑色が濃いほうが新鮮です。
うさぎにとうもろこしの皮をあたえる場合は、緑色が濃く、新鮮なものを選びましょう。
とれたてが1番おいしいとうもろこしなので、家庭菜園などでも人気があります。
自分で栽培することができれば、とうもろこしの皮やひげも新鮮な状態でうさぎにあげられますよね。
おいしいとうもろこしを収穫するためには、1株に2~3本できる実を1本だけ残してもぎとります。もぎとった実は、ヤングコーンとして食べられますし、まだ糖度が上がっていないので、うさぎにもあたえやすいです。
とうもろこしは、気温が下がる夜間に糖度が高まるので、早朝に収穫したものが1番甘くなります。自分で栽培するのは難しくても、野菜の直売店などで「朝採り」のとうもろこしを見つけたら、ぜひ買ってみてくださいね。
とうもろこしの栄養素
とうもろこしには、糖やデンプンなどの炭水化物が多く含まれています。粒の付け根の胚芽には、ビタミンE、ビタミンB類、カリウム、亜鉛、鉄などがあり栄養満点。また体によいとされるリノール酸が豊富で、整腸作用のあるセルロースという不溶性食物繊維が豊富な野菜です。
生のとうもろこし(スイートコーン)とヤングコーンの栄養素は、下記の表のとおりです。
(100gあたりに含まれる栄養素)
スイートコーン(生) | ヤングコーン(生) | |
エネルギー | 92kcal | 29kcal |
水分 | 77g | 90.9g |
炭水化物 | 16.8g | 6.0g |
カリウム | 290mg | 230mg |
食物繊維 | 3.0g | 2.7g |
ビタミンB1 | 0.15mg | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.1mg | 0.11mg |
ビタミンB6 | 0.14mg | 0.16mg |
亜鉛 | 1.0μg | 0.8μg |
鉄 | 0.8μg | 0.4μg |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
とうもろこしを食べさせることでこんなメリットがある
とうもろこしの粒の表皮には、セルロースという繊維質がたくさん含まれています。
とうもろこしを食べることで、うさぎにとって大切な栄養素である繊維質をとることが。
また、とうもろこしの胚芽に含まれるビタミン類は、抗酸化作用や脂質の代謝を促進する効果があります。
甘みがあり栄養価も高いので、食欲が落ちているときにあたえることで、食欲の増進につながることも。
とうもろこしをあたえるときの注意点
うさぎにとうもろこしをあたえるときには、
- あたえる量
- カビ
- 農薬
に注意してください。
あたえる量
とうもろこしの実をあたえる場合、カロリーが高いので、食べすぎると肥満のもとに。
また実に含まれる糖やでんぷんは、うさぎの腸内細菌のバランスを崩してしまいます。好んで食べるからといって、あたえすぎてはいけません。
おやつやごほうびに少量をあたえるようにしましょう。
カビ
とうもろこしは夏が旬の野菜。
気温や湿度が高い季節なので、保管状態によっては、皮にカビが生えることがあります。
鮮度がよく、カビが生えていないものをあたえるようにしましょう。
また、とうもろこしには、アフラトキシンという毒素を作り出すカビが生えることがあります。
これは収穫直後の新鮮なとうもろこしに生えるものではなく、亜熱帯~熱帯の高温多湿地域でみられるカビで、乾燥させた穀物・ナッツ類・とうもろこしなどに寄生します。
うさぎに生のとうもろこしをあたえるときには新鮮なものを選び、乾燥とうもろこしの場合も危険なカビが生える可能性があること覚えておきましょう。
農薬
とうもろこしは春に種をまき、梅雨を経て、夏に収穫します。栽培時の気温や湿度が高いため、害虫による被害や病気などを防ぐ目的で農薬が使われることが多いです。
うさぎにとうもろこしをあたえるときには、流水でよく洗ってからあたえるようにしましょう。
まとめ
とうもろこしと聞くと、黄色の実の部分が頭に浮かびますが、うさぎは実だけではなく芯や皮、ひげまで食べられることがわかりました。
うさぎにとうもろこしをあたえるときは、
- 新鮮なものを選ぶ
- カビが生えていないか十分確認する
- しっかりと流水で洗う
- あたえすぎない
ことに注意しましょう。
とうもろこしにかぎらず、野菜やくだものなど、おやつのあたえすぎは禁物です。主食の牧草やペレットでしっかりと繊維質をとり、バランスのよい食事を心がけて、うさぎが健康に過ごせるようにしてあげましょう。
出典:トウモロコシノセカイ
出典:ゆず動物病院
出典:やまむファーム
出典:JAグループ
出典:薬日本堂、漢方ライフ
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