昼間はウトウトお昼寝してることが多いうさぎですが、暗くなってくると目がパッチリ開いて、元気いっぱいになりますよね。
このように聞くと、うさぎは夜行性の動物かと思われがちですが、正確には、薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)といって、明け方と夕暮れどきに活発に行動する動物なんです。
おうちで飼育されているうさぎは、人の生活リズムに影響を受けます。本来のうさぎの生活リズムを考えると、
- 夜遅くまで照明をつけて部屋を明るくしてるけど、問題はないのかな?
- 寝るときに真っ暗にしても、うさぎは活動できるのかな?
など、いろいろ気になることが出てきますね。
また、うさぎが真夜中にドタバタと暴れすぎて、気になって睡眠不足になってしまったり、スタンピング(足ダン)の音がうるさくて近所迷惑になってしまったり……飼い主の生活に支障が出てしまっては困りますよね。
そんな「夕方から元気になるうさぎ」と暮らす上で、気をつけなければならないことは何でしょうか? うさぎが本来持っている習性や生活リズムを理解することで、うさぎとのよりよい付き合いかたがわかりますよ。
うさぎは暗くても大丈夫?
うさぎの視力は人間でいうと0.05くらいしかないのですが、光への感度は人間の約8倍あります。だから薄暗い場所でも問題なく活動することができます。
暗闇でもごはんを食べたり、水を飲んだりできるので、夜中に電気をつけっぱなしにしておく必要はありません。
私が飼っているうさぎも、夜中に様子をうかがうと、牧草を食べたり、動き回ったりしています。
昼間はケージの近くを通っても、ウトウトしたままなのに、夜はちょっとのぞいただけでもすぐに気づいて、「なになに?」と近づいてきます。やはり、夜は起きて活動している時間帯なのですね。昼間とは反応がまったくちがいます。
冒頭でも紹介したように、うさぎは薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)の動物です。あまり聞きなれないことばですが、主に夜間に活動する動物の中でも
- 薄明るくなってくる夜明け前
- 夕暮れどき
とくに上記の時間帯に活動的になる習性のことをいいます。夜行性に近い生活リズムにはなりますが、夕方から活発になるというところが特徴ですね。
自然界では、昼間は気温が高かったり(とくに夏期)、敵に見つかりやすかったりするので、野生のうさぎは巣穴などの隠れ家でじっとして、からだを休めています。そして、日が沈む夕方ごろから、エサを探し回るなど活動を開始します。
実は、夜行性といわれているほかの動物たちも、うさぎと同じ薄明薄暮性であることがわかっています。例を挙げると、
- イヌ
- ネコ
- フェレット
- ハムスター
などの動物です。 人と一緒に暮らしているイヌやネコなどは、飼い主の生活リズムに合わせた生活をしていることが多いです。
うさぎもある程度、飼い主の生活パターンに合わせることができます。といっても、うさぎ本来の生活リズムは、人の暮らしに意外と合っているのではないでしょうか。昼間、飼い主が学校や職場に出かけている間にうさぎはゆっくり休息し、帰ってくるころに起き出して活動をはじめるのですから。
うさぎが夜になると暴れる理由は
夜が近づくと活動的になるうさぎ。さあ、活動開始! です。まずはしっかりごはんを食べたら、パワー全開! 動き回りたくてしょうがない時間です。
夕方から夜にかけては、うさぎの運動にピッタリの時間帯。遊びや運動の時間を十分作ってあげるといいですよ。
ケージの中を走り回ったり、ピョンピョン飛び回ったりするのは、うさぎが元気な証拠ですが、興奮しすぎてケージにぶつかったり、滑ったりしてケガをしては大変です。
十分運動したにもかかわらず、暴れかたが激しいときは、ケージをダンボールなどで覆って、薄暗くしてあげてみてください。
しばらくすると落ち着くうさぎが多いです。
ケージをかじったり、食器をくわえて投げたり、スタンピングをしたり、あまりに騒がしくしている場合は、あなたに何か伝えようとしているのかもしれません。
考えられる理由しては、
- おなかがすいている
- もっと遊びたい
- 不満がある
などがあります。
1.おなかがすいている
夜間に活動が活発になるので、昼間よりも食べる量が増えます。
「牧草が足りないよ~」「おなかがすいたよ~」とアピールしているのかもしれませんね。
ペレットを朝夕の2回にわけてあげている場合は、夜間のエネルギー不足を防ぐため、朝の量を少し減らして、夕方に多めになるようにあげてみてください。また、夜間に牧草がなくならないように、就寝前にたくさん補充しておきましょう。
2. もっと遊びたい
遊び足りないときには、ケージをかじってアピールすることがあります。夕方から夜にかけては、うさぎがいちばん活動的になる時間帯なので、運動にピッタリです。
ケージから出して、十分な運動をさせてあげましょう。ただし、うさぎがアピールするたびに自由に遊ばせてしまうと、ケージをかじれば出してもらえると思って行動がエスカレートすることがあります。運動や遊びは、毎日時間を決めておこなうことが大切です。
夕方からの時間帯は、うさぎとのコミュニケーションを取るのに最適な時間です。
一緒に遊んであげたり、スキンシップをしたり、健康チェックやグルーミングをする時間としても最適です。うさぎの性格にもよりますが、昼間は嫌がってしまう子も夕方や夜であれば、比較的受け入れてくれる場合が多いです。
3. 不満がある
何か不満があるときや警戒しているとき、うさぎはスタンピングで気持ちを表します。
うちのうさぎは、昼間はほとんどしないのですが、夜になると突然足ダンを繰り返すことがありました。理由がはっきりとわからないことも多いのですが……そのときは、ケージの前を見慣れない虫が歩いていて不審に思ったようです。
スタンピングの音はかなり大きいので、夜中に繰り返されると、眠りをさまたげられるだけでなく、マンションなどでは階下への騒音問題になることも。足にも負担がかかりますし、ストレスは病気の原因になることもあります。
うさぎが不満に感じていることは何か? うさぎの様子をよく観察して、不満の原因を突き止め、改善してあげることが大切です。
うさぎと同じ部屋で寝る【動画】がスゴい
ひとり暮らしでうさぎを飼っている場合、同じ部屋で寝起きすることが多いので、どうしても人の生活リズムに合わせることになります。
夜、明るいままだとうさぎの生活リズムにはよくないのかも? と思うかもしれませんが、うさぎは人の生活リズムにある程度、合わせることができるので心配ありません。ただし、テレビや音楽がうるさすぎたり、暗闇でスマホの光が点灯していたりすると、うさぎにとってストレスになることもあるので、注意が必要です。
犬や猫と一緒の布団で寝る、という話はよく聞きますが、うさぎと一緒の布団で眠れるのでしょうか?
うさぎを飼っている飼い主さんが、一晩同じ布団で一緒に寝ることにチャレンジした動画を見つけました! どんな結末が待っているのでしょうか?
音声あり
予想どおり、朝起きると、まわりに無数のテンテンが! 飼い主さんが眠っているあいだも、うさぎが活動していたという証ですね。
うさぎの排せつは個体にもよりますが、完全にコントロールすることは難しいので、一緒に寝ようと思っているかたは、そのことをお忘れなく!
まとめ
うさぎは本来、薄明薄暮性で夜間を中心に活発に行動する動物ですが、飼い主の生活リズムに合わせて過ごすことができます。
行動が活発になる夕方から夜にかけての時間をうさぎにとっても飼い主にとっても充実した時間にすることで、よりお互いの絆が深まり、うさぎとの暮らしがさらに豊かなものになるはずです。
うさぎのストレスには気を配りながら、元気なうさぎとのふれあいタイムを楽しんでくださいね。
うさぎでそのほかの行動が気になるならこちらの【うさぎの飼い方大辞典】初心者にもわかる77項目のはじめかたガイドが参考になるので、合わせごらんください。
出典:けい動物医療センター
出典:うさぎのしっぽ
出典:ウサギの飼い方・楽しみ方 町田修監修, 成美堂出版, P.49
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