あなたは飼っているうさぎさんをどうやって数えていますか? 最近は家族の一員なので、ひとり・ふたりという人も増えています。
現代だと、1匹、2匹と数えるシーンが多いですが、正しい数え方、間違った数え方というものも存在します。ここでは諸説あるうち、主な数え方についてお伝えします
うさぎの数え方:匹
まず主流に使われている数え方は「匹」。
現代的な数え方です。動物病院でも犬・猫と同じように1匹、2匹と数えることが多いです。
(文学や食肉としてあつかう場合を除き)生きたウサギは「匹」を用いるのがふさわしい
と『NHKことばハンドブック』で伝えています。
「匹」という言葉は「ふたつのものが対になっている」という意味を持っており、もともと馬に使われている言葉だったと言われています。
昔の日本では農耕の手伝いや荷物引きのために馬を飼っていたため、常に馬と隣り合わせに生活していました。
馬車に乗っているときによく見えるのは馬のおしり。そのおしりが対になっている様と、馬にものを「引き」ゆく様を合わせて、馬のことを「匹」と数えるようになったのです。
現代では馬だけでなく、広く一般的に動物たちを数える言葉となりました。
出典:ジャパンナレッジ
うさぎの数え方:頭
うさぎの数え方として、「頭」を使うのも間違ってはいませんが、主流ではありません。
基本的に「頭」はゾウやウシなどの、大型の動物を数える際に使う言葉です。
なお余談ですが、英語でもウシなどの大型の動物を数えるときには、「Head(頭)」という言葉が使われています。
「頭」が使われるようになったのは明治末期ごろ、この英語の影響を受けたからだと言われています。
出典:ジャパンナレッジ
うさぎの正しい数え方:羽
うさぎの正しい数え方は1羽、2羽が正解です。
「匹」や「頭」などと違って一般的ではありませんが、伝統的なうさぎの数え方とされています。
「羽」は基本、鳥を数えるときに使う言葉です。しかし、哺乳類であるうさぎも特別に「羽」を使って数えます。
しかしうさぎを数えるときは必ずしも「羽」を使うべき、というわけではありませんので、そこには注意しましょう。
うさぎの数え方で「兎」は間違い
うさぎを数えるときに「兎(と)」という言葉を使うのは間違いです。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉を聞いたことはありますか?
「2匹のうさぎを同時に追いかける者は、結局どちらのうさぎも捕まえることはできない」、それゆえに「よくばって一度にふたつの物事を進めようとしても、どちらも失敗に終わってしまう」という意味のことわざです。
そのことわざの影響で、うさぎは「兎」と数えるものなのかと思ってしまいがちですが、実は「兎」という単位は存在しません。ことわざの中でのみの単位となっております。
数えるときに使ってはいけないというわけではありませんが、日本語としては正しくないことを知っておくと、よりうさぎ博士になれるでしょう。
諸説あるうさぎの数え方3つの由来まとめ
うさぎの数え方を「羽」としていることには、理由があります。しかし「この理由が絶対!」という明確な根拠はなく、どれも説として挙げられているものばかりです。
主な説は3つで、具体的な内容は以下のとおり。
- 獣(けもの)を口にすることができない僧侶(そうりょ)が2本足で立つうさぎを鳥類だとこじつけて食べた説
- 名前が関係するという説
- うさぎの2本の耳をくくって「1把」と数えて「1羽」に変化した説
それでは各説の詳細を、くわしく見ていきましょう。
獣(けもの)を口にすることができない僧侶(そうりょ)が2本足で立つうさぎを鳥類だとこじつけて食べた説
明治時代より前は、仏教の考えで肉を食べることが禁止とされていました。魚や鳥は食べても問題なかったため、2本足で立つことのできるうさぎを、鳥として食べていたという説が基本です。
また、耳が大きく長い=羽のように見えるから、鳥に見立てていたという説もあります。
名前が関係するという説
鳥の仲間に、鵜飼いなどで有名な「鵜(う)」と、水鳥の一種である「鷺(さぎ)」という鳥がいます。
うさぎはこの2羽の鳥の名前を組み合わせた、「鵜鷺(うさぎ)」として、鳥としてあつかわれていたという説も。
そのため、鳥と同じ数え方である「羽」を使っていたとも言われています。
うさぎの2本の耳をくくって「1把」と数えて「1羽」に変化した説
うさぎが狩猟の標的だった時代、捕らえたうさぎの耳を束ねていました。
束ねたものを数える際には、「把(わ、は)」という言葉を使います。「羽(わ、は)」は同じ発音のため、この「把」が「羽」に変化したという説もあります。
うさぎの考え方まとめ
今回はうさぎの数え方についてご紹介しました。重要なポイントは以下のとおりです。
- うさぎの数え方は、基本的に「匹」か「羽」
- 「兎」という数え方は間違い
- 「羽」と数える理由は諸説ある
日本語的には1羽2羽が正しいのですが、現代だと1匹2匹がほとんどです。うさぎLOVEの飼い主さんならひとり、ふたりかもしれませんね。
当メディア『bunnylover』では、記事の内容によって匹か羽を使いわけて表示します。
出典:ジャパンナレッジ
出典:ジャパンナレッジ
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