うさぎが成長すると必ずおとずれる発情期。
どのように接すればいいのか、困ることもありますよね。ここでは発情期にみられる主な特徴や行動、また接しかたについて徹底解説。うさぎの成熟を見守り、しっかりと向き合っていけるようにしましょう。
うさぎの発情期とは
うさぎは生後数か月後に思春期をむかえ、定期的なサイクルで「発情期」と呼ばれる期間に突入するようになります。
発情期では生殖の準備をするため、うさぎにさまざまな行動の変化があらわれるようになります。
生理現象のため発情期をむかえること自体に心配はいりません。しかし、ときには困った行動をすることも。
一つひとつの特徴を把握して、必要に応じた対応をできるようにしておくとよいでしょう。
また、うさぎが飼い主さんやおもちゃなどに乗りかかり、交尾のように腰振る行動のことを「マウンティング」といいます。
うさぎのマウンティングについて
マウンティングとは、基本的にはオスのうさぎが発情期にともない、興奮しておこなう性行動のことです。
しかし、メスのうさぎがすることもありますし、遊びですることも、上下関係の確認のためにすることもあります。
さまざまな意味が含まれているだけに、ひとつのマウンティングに対する感情の判断は難しいものです。
そして、飼い主さんに対しておこなう場合には、好きにさせておくとうさぎが「飼い主さんより自分のほうが立場は上だ!」と思ってしまう可能性もあります。
また、マウンティングの勢いで飼い主さんに噛みついてしまう危険性もあります。
しつけのためにも、飼い主さんに対するマウンティングはやめさせるようにしましょう。
マウンティングはいつから何歳くらいまで?
一般的にマウンティングを含む性行動は、性成熟に合わせておこりはじめます。
うさぎの性成熟は、オスは生後5か月頃に、メスは生後3か月頃にむかえるといわれています。
また、うさぎは繁殖能力の高い動物のため、何歳くらいでマウンティングが終わるという基準ははっきりしていません。
ただし、5歳を過ぎるとうさぎはだんだんと行動がおだやかになってきます。
年齢とともに、だんだんと性行動が少なくなる傾向はあるといえるでしょう。
出典:田向健一『かわいいウサギ 飼い方・育て方』
オスうさぎの発情期の特徴や行動
オスのうさぎの発情周期は決まっておらず、メスに合わせて発情します。
しかしメスがいなくても、立場の弱いオスや飼い主さんに対しても発情することがあります。
オスのうさぎは発情期の際、
- 性格の変化
- マウンティング
- スプレー行動
このような特徴・行動が見られます。くわしく解説していきましょう。
性格の変化
オスのうさぎは発情期をむかえると、攻撃的になったり、落ち着きがなくなったり、甘えん坊になったりします。
怒りっぽくなってスタンピングをする、足元をくるくる回って求愛行動をするなど、個体によって変化はさまざまです。
気が立っているときは無理にスキンシップをしようとすると、噛みついてくる場合があるので、そっとしておいてあげましょう。
マウンティング
マウンティングはエスカレートしないように、極力無視することが重要です。
おもちゃに対してマウンティングをするぶんには、しすぎに見えても問題はありません。
飼い主さんに対してつきまとってくる場合には、オモチャをあたえて気をそらさせるとよいでしょう。
また、マウンティングをメスのうさぎに対してすると、そのまま交尾につながってしまう可能性があります。
交尾はほんの一瞬。メスのうさぎのおしり側から乗りかかり、オスがひと鳴きしてひっくり返る、または倒れると終了の合図です。
うさぎの子育てには、飼い主さんの覚悟と準備も必要不可欠。望まない妊娠だけはさせないようにしましょう。
こちらの記事では、うさぎの交尾についてくわしく説明しています。
>>うさぎの交尾方法|重複妊娠・偽妊娠には注意!【動画:交尾の瞬間】
スプレー行動
オスのうさぎは、「スプレー行動」というおしっこを飛ばす行動をすることがあります。
トイレの場所を覚えさせたはずなのに、おしっこをまき散らしてしまう! という場合には、この行動がはじまっている証かもしれません。
縄張りを広めようとしておこなう本能的な行動のため、しかってやめさせることは不可能です。
まき散らしたおしっこはすぐにふき取り、どうしても困る場合には去勢手術も考えるようにしましょう。
メスうさぎの発情期の特徴や行動
メスのうさぎは10日間前後の発情期と、2~3日間の休止時を年中繰り返しています。
そのため、基本的にはずっと繁殖可能時期なのです。
メスのうさぎは発情期の際、
- 性格の変化
- 臭腺から分泌物を出す
- 偽妊娠
このような特徴・行動が見られます。くわしく解説していきましょう。
性格の変化
メスのうさぎは発情期を迎えると、巣や子を守ろうとする本能が強くなります。
そのため攻撃的になり、ケージに手を出そうとすると攻撃してくる、警戒心が強くなるという特徴が出てくるのです。
ストレスを感じやすい時期なので、うかつにうさぎに触れると噛みつかれる、警戒心を強めるなどの危険性があります。
なるべくそっとしてあげるようにしましょう。
臭腺から分泌物を出す
メスのうさぎは発情期を迎えると、臭腺と呼ばれる器官からの分泌される液体を、まわりや糞につけることがあります。
うさぎ自身に体臭はありませんが、この分泌物は強めの臭いを発します。
突然くさくなると気になってしまうかもしれませんが、生理的なもののため特に異常はありません。
臭いが気になる場合には、はやめに糞をかたづけ、手早く掃除をしてしまいましょう。
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>>うさぎのお尻が汚れる原因は尿やけや便だけ?3つの洗い方でモフモフ復活
偽妊娠
メスのうさぎが妊娠していないはずなのに、急に巣作りをはじめた……そんなときは、「偽妊娠」かもしれません。
偽妊娠は、偽の妊娠という名のとおり、実際は妊娠をしていないのに、妊娠をしたときと同じ行動をとってしまう現象のことです。
メスのうさぎに、以下のような特徴が見られたら、偽妊娠の可能性があります。
- おっぱいが腫れる
- 神経質かつ攻撃的になる
- 巣作りをはじめる
- 毛をむしるようになる
無理にやめさせることはできないため、対処法を実践しつつ、見守ることが肝心です。
偽妊娠について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>うさぎの偽妊娠対策&対処法|20日以内の巣作りや5つの行動で見分ける
発情期のオスうさぎへの対処法
発情期のオスうさぎは、とにかくマウンティングが特徴的。
飼い主さんへのマウンティングはやめさせ、おもちゃをあたえるなどのしつけ面を特に気をつけましょう。
気が立っているときは触らないようにする、という距離感をとることも重要なことです。
愛しいうさぎのことはかまってあげたくなりますが、ときには見守ることも必要不可欠ですよ。
発情期のメスうさぎへの対処法
発情期のメスうさぎは、今まで以上にデリケートになります。
偽妊娠が起きたときには見守り、普段過ごしているときも、かまいすぎないようにしましょう。
また、発情期のメスは腰からおしりのあたりをなでるとマウンティングされたと勘違いをし、偽妊娠が起こりやすくなります。
なでるときにはなるべくおしりを避けるようにしましょう。
うさぎの発情期の注意点
発情期はデリケートな時期です。
病気ではなく生理的なものとはいえ、飼い主さんはいつも以上に気をつかってあげることが大事。
発情期のうさぎに対しては、
- 栄養をしっかり摂らせる
- 体調管理に気を配る
- 掃除をしっかりおこなう
- 無理にコミュニケーションをとろうとしない
以上のことを気遣うようにしましょう。
また、発情期にともなう行動があまりに気になるようであれば、去勢手術または避妊手術も視野に入れることもひとつの手です。
発情期になったらうるさい!
発情期のうさぎは気が立ちやすいもの。スタンピング(足ダン)が目立つなど、うるさい行動が気になりだす可能性もあります。
そんなときには、防音グッズを用意しましょう。
ケージの下に防音マットをしく、夜になったらケージにブランケットやカバーをかぶせるなど、ちょっとした工夫をすることで騒音を抑えられるようになります。
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オス同士でマウンティングをする?
うさぎはオス同士、メス同士でもマウンティングをすることがあります。
こういった場合には、基本的にうさぎたちの間で上下関係を確認していると考えられます。
しかし、うさぎは縄張り意識の強い動物。マウンティングをするような状態で一緒にしておくと、ケンカにつながってしまう可能性があります。
縄張り意識の芽生える年頃になったら、直接会わせないほうが好ましいでしょう。
出典:うさぎのしっぽ
まとめ
うさぎの発情期について重要なポイントは以下のとおりです。
- うさぎは生後数か月で発情期になる
- 発情期の間はデリケートになる
- オスのうさぎはマウンティング、スプレー行動という特有の行動を取る
- メスのうさぎは偽妊娠という特有の行動をとることがある
- 発情期の体調管理はしっかりと
発情期はどんなうさぎにもおとずれるもの。それだけに飼い主さんは発情期に対する正しい知識を必ず身につけている必要があります。
自分のうさぎの性別をしっかり把握したうえで、適切な処置をおこないましょう。
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