ジャンプをする、鼻を鳴らすなど……うさぎの仕草はかわいいものばかりですよね。でも、その意味を考えたことはありますか?
今回は、さまざまなうさぎの仕草からその意味を徹底解説。これを読んで、うさぎの気持ちをより深く理解しましょう。
うさぎの仕草で気持ちを理解!意味もご紹介
一見おとなしそうな印象のあるうさぎ。飼い主さんへの反応もひかえめ……ではなく、実はとっても感情豊か!
喜んだり怒ったり警戒したり……うさぎはさまざまな仕草をみせてくれます。
今回は代表的な仕草と、その意味をひとつひとつ確認していきましょう。
うさぎの鼻に関する仕草
ひくひくと動くうさぎの鼻。この鼻をつかった仕草も多くの種類があります。
ここでは鼻をつかった行動、また鳴き声に関する仕草をご紹介します。
鼻でツンツンしてくる
うさぎが鼻でツンツンしてくるときは、飼い主さんに甘えたいとき。なでてほしい、かまってほしいという意味が含まれています。
こんなときにはコミュニケーションのチャンス。精一杯かまってあげましょう。
鼻をひくひくさせる
音声あり
うさぎはいつも鼻をひくひくさせていますが、その速さによって行動や感情が読み取れます。
- ひくひくが速いときは、何かに警戒している、または何かを探しているとき。
- ひくひくが遅いときは、リラックスをしているときです。
飼い主さんの前でひくひくがゆっくりになった場合は、信頼してくれている証拠ともいえるでしょう。
鼻をプープー鳴らす
うさぎが鼻をプープー鳴らしているときは、機嫌がいいとき。
うさぎにはいわゆる発声器官(声を出すための器官)はありませんが、鼻を鳴らすことで感情表現をします。
プープー、ブッブッなど小さく鳴いている場合がご機嫌の証です。
ブーブーと大きな音を鳴らす
うさぎがブーブーと鳴いているときは、機嫌が悪いとき。
ご機嫌なときと違い、低く大きな音を鳴らします。
キーキーと鳴く
うさぎがキーキーと鳴いているときには要注意。痛みや具合の悪さを感じている可能性があります。
不安や恐怖を感じているので、すぐにうさぎの様子をチェックしてください。
場合によっては動物病院に連れていくことも考えておきましょう。
うさぎの歯・口に関する仕草
うさぎのキュートな口。そして、永久的に伸びつづける特殊な歯。
この特性に関する仕草もさまざまなものがあります。ここでは口や歯をつかった仕草についてご紹介しますね。
噛んでくる
うさぎが噛んでくるときには、その強さによって意味合いが異なります。
やさしく甘噛みをしてくるときは、信頼の証。あなたに甘えているということです。
しかし痛みや出血をともなうほど強く噛んでくるときは、攻撃的になっている、怒っているということです。
歯をカチカチする
うさぎが歯をカチカチさせているときは、うれしさを感じているとき。
おやつをもらった、なでてもらったなど何かうれしいことがあると、「カチカチ」と奥歯を鳴らします。
口でくわえたものをひっくりかえす
音声あり
うさぎがくわえたものをひっくりかえしているときは、不満があるとき、またはかまってほしいとき。
お腹がすいた、かまってほしいなどさまざまな要因が考えられます。
このときかまってしまうと行動がエスカレートする可能性があるので、なるべく無視しましょう。
出典:田向健一『かわいいウサギ 飼い方・育て方』
木や柱をかじる
音声あり
うさぎが木や柱をかじるのは、本能的な行動です。
うさぎは一生歯が伸びつづける動物。その歯の長さを調整するために、木などをかじる必要があるのです。
かじられて困るものをかじってしまう場合には、専用の「かじり木」などを用意してあげましょう。
ケージや食器などをかじる
音声あり
うさぎがワイヤーや食器をかじるときには、飼い主さんに何か要求があるとき。
お腹がすいた、かまってほしい、外に出して……などさまざまなことが考えられます。
ケージや食器などをなめる
うさぎがケージや食器などをなめるときには、かじるときと同じように何か要求があることが考えられるでしょう。
また縄張り主張のため、自分のにおいをつけているという可能性もあります。
牧草をくわえている
音声あり
うさぎが牧草をくわえるのは、巣作りをしているとき。
あなたのうさぎはメスではありませんか?
メスのうさぎは妊娠をすると、牧草や自分の毛をつかって巣作りをはじめます。
もしも妊娠をしていない場合には、妊娠しているときのような行動をとってしまう「偽妊娠」という現象かもしれません。
毛をむしり取る
うさぎが毛をむしっているときは、牧草をくわえているときと同じく偽妊娠の可能性があります。
巣作りをしているだけなので、特に問題はありません。
しかし注意したいのが、うさぎがオスのときや、妊娠も偽妊娠もしていないとき。
この場合には、ストレスのあまり毛をむしっている可能性もあるので、注意しましょう。
お尻に口をつける
音声あり
うさぎがお尻に口をつけているときは、主に盲腸便と呼ばれる栄養価の高いうんちを食べているとき。
この行動を「食ふん」といいます。
食ふんはうさぎの健康にとても大事な行動。決してやめさせないようにしましょう。
耳を伏せて前歯をみせる
うさぎが耳を伏せ、前歯をみせたら、要注意。攻撃をしようとしている、または威嚇をしています。
多頭飼いをしていると、ほかのうさぎに向かってすることも。ケンカの危険性があるので、すぐにうさぎたちを離しましょう。
体をなめている
音声あり
うさぎが体をなめているときは、毛づくろいをしているとき。
体についたにおいや汚れを落としています。
強く歯ぎしりする
うさぎが強く歯ぎしりをしているときには要注意。ケガや病気などが隠れているかもしれません。
ケガや病気による痛みを我慢しているとき、または「不正咬合(ふせいこうごう)」という歯の病気になっているときに強い歯ぎしりが見られます。
うさぎの体に異常がないか調べてから、動物病院に相談するようにしてください。
関連記事
うさぎが歯ぎしりをする6つの理由と特徴|病気など3パターンの見分け方
うさぎの耳に関する仕草
うさぎの特徴的な長い耳。この耳をつかった仕草ももちろんあります。
ここでは耳をつかった行動についてご紹介します。
立って耳をピンと立てる
音声あり
うさぎが立っているとき、耳を立てているときは、何かに警戒をしているということ。
何か気になることがあると、この仕草をみせることがあります。
耳をかいている
音声あり
うさぎが耳をかいているとき、少しだけなら問題はありません。しかし、しきりに耳をかいているようなら要注意。外耳炎など耳の病気の可能性があります。
耳の状態をチェックしてみて、何か異常があるようなら動物病院に相談しましょう。
うさぎの足に関する仕草
うさぎが大きな足をつかって、軽快に動き回りますよね。ここでは、この特徴的な足をつかった仕草をご紹介します。
顔を洗う前に前足がピクピク動く
うさぎが顔を洗うとき、まず前足をきれいにするという本能があります。
ピクピクと動かすことで、前足についた汚れや泥を落としているのです。
足ダン(スタンピング)
音声あり
うさぎが足ダンをするときは、不満があるとき。警戒や興奮などの意味合いも持っています。
この行動はスタンピングとも呼びます。
野生のうさぎは危険を知らせるときに足ダンをするため、びっくりしたときにこの行動をすることも。
必ずしも対処することはありませんが、足ダンをしたときは何か気に入らないことがあった証、ということは覚えておきましょう。
急に走り出す
うさぎが急にダッシュをするのは、興奮しているとき、または遊んでいるとき。
突然走り出すとびっくりするかもしれませんが、ご機嫌なので心配はいりません。
ただし、ぶつかってしまう危険性があるので、うさぎが走っているとき飼い主さんは動かず、やさしく見守りましょう。
ジャンプ
音声あり
うさぎがジャンプをするときは、機嫌のいい証。
さまざまなジャンプの仕方がありますが、基本的にはどれもご機嫌・遊んでいるというときです。
うさぎのお尻や腰に関する仕草
うさぎのぷりっと丸いお尻。とってもキュートですよね。ここではお尻や腰に関する仕草をご紹介します。
なでたらお尻をあげる
うさぎがおしりをあげるときは、交尾の受け入れの体制をとっているときです。
メスのうさぎはおしりをなでられると、マウンティングされていると勘違いをし、このような仕草をみせます。
偽妊娠につながることがあるので、極力避けたほうがよいでしょう。
出典:うさぎのしっぽ
腕や足に抱きつき腰を振る
うさぎが腕や足に対して腰を振っているときは、発情期によるマウンティングです。
本来はメスのうさぎに対しておこなうべき行動ですが、発情期で興奮しているときには、飼い主さんの腕や足、ぬいぐるみなどにおこなうことがあります。
好きにマウンティングをさせておくと、エスカレートすることが多いので、極力やめさせるようにしましょう。
出典:日本動物医療センター
しっぽを振る
うさぎがしっぽを振っているときは、機嫌がいいとき。おやつをもらうなど、いいことがあったときにもしっぽを振ります。
少し意外に思うかもしれませんが、うさぎもしっぽを振るのです。チャンスがあったら、ぜひ確認してみてくださいね。
うさぎの座りかた・寝かたに関する仕草
あまり見ない、という場合もあるかもしれませんが、うさぎはさまざまな座りかたや寝かたをしますよ。
ここではそのバリエーションをご紹介します。
お腹の下に前足を折りたたんで座る(箱座り)
音声あり
前足を折りたたんで座っているときは、リラックスをしています。
この姿勢は「箱座り」と呼ばれ、うさぎが安心しているときはよくみせてくれる仕草です。
急にバタンと倒れる
音声あり
うさぎが急にバタン! と倒れた……びっくりするかもしれませんが、リラックスしている証拠なのです。
コテン寝やバタン寝ともいわれ、そのまま気持ちよく眠りはじめることもあります。
お腹をみせてあお向けになる
音声あり
うさぎがあお向けになるのは、飼い主さんを信頼している証拠。
また、リラックスしているときにもこの仕草をみせてくれます。
出典:田向健一『かわいいウサギ 飼い方・育て方』
後ろ足を伸ばしてお腹をつけて伏せている
うさぎが足を伸ばして寝ているときは、リラックスをしているということ。
すぐに走り出せない姿勢なので、ゆったりと羽を伸ばしているときにしかしない仕草です。
その他のうさぎの仕草
その他にも、うさぎは感情豊かなさまざまな仕草をします。ここでは上記分類外のうさぎの仕草についてご紹介しますね。
あごをスリスリしてくる
うさぎがあごをスリスリするのは、自分のにおいをつけたいという意味。
ものに対しては縄張りの主張という意味でおこないますが、人に対しては「自分のもの!」と主張したい、愛情表現の一種です。
出典:うさぎのしっぽ
人の後ろについてくる
うさぎが後ろについてきたら、うさぎがあなたにとてもなついているということ。
飼い主として認められた証なので、喜ばしいことです。とはいえ、もし飼い主さんが気付かなかったら、踏んでしまうなどの危険性があります。
うさぎを散歩させているときには、背後に注意してください。
穴掘り
音声あり
うさぎの穴掘りは、本能的な行動です。
うさぎたちの先祖は穴を掘って、地中で暮らしていました。
その巣穴づくりの名残が、今のうさぎたちにも残っているのです。
穴掘りはストレス解消にも役立つので、極力やめさせないようにしましょう。
おしっこ(スプレー)をまき散らす
音声あり
うさぎがおしっこをまき散らすのは、縄張りを主張しているという意味。
「スプレー行動」といいます。主に思春期を迎えたオスにみられますが、メスがすることも。
一般的には去勢をすると、スプレー行動が落ち着くといわれています。
出典:町田修『ウサギの飼い方・楽しみ方』
まとめ
今回はうさぎの仕草についてご紹介しました。重要なポイントは以下のとおりです。
- うさぎは意外と感情豊か
- さまざまな仕草から感情が推測できる
- 場合によっては病気やケガのサインのことも
- やめさせるべき行動とやめさせないべき行動は見極めて
うさぎはあなたと暮らせば暮らすほど、さまざまな顔をみせてくれます。
その一つひとつをくみ取って、今日からあなたもうさぎ博士になりましょう。
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