ペットを飼うと、かわいがるだけではなくしつけも必要になってきますよね。あまやかすだけではなく、ダメなものはダメとわかってもらうことも大切。
わんちゃんやねこちゃんと同じように、うさぎもしつけをすれば、ちゃんと理解ができる、とってもお利口さんな動物なんですよ。
トイレも大事なしつけのひとつ。しつけをおこなうと、決まった場所でトイレをしてくれるようになります。
ケージ内のトイレを置く位置で、トイレをちゃんと覚えてくれるかどうかが変わってきます。うさぎをお家に迎え入れるまえに、飼い主さんはうさぎのトイレのしつけについて知っておきましょう。また、今うさぎを飼っていてトイレのしつけにお悩みのかたも、原因がわかれば解決できることがあります。
※おしっこをとばすなど、うさぎの本能でおこなう行為もあります。本能をしつけでやめさせることはできませんが、そのようなうさぎの行動も知っていると、本能からくるものなのか、またはなにかを伝えたくて、表現の方法としておこなっている行為なのか、ということもわかってくるので、うまくしつけができるようになります。
うさぎのトイレ事情を知って、上手にしつけをおこないましょう。
うさぎのトイレのしつけについて
トイレのしつけに関しては、うさぎの意思を尊重してあげてください。
野生のうさぎは、決まった場所でトイレをします。その本能があるため、ペットうさぎにもトイレのしつけはできます。
しかし、トイレをどの程度使うようになるかは、その子それぞれで変わってきます。「トイレを覚えるまでどのくらいの時間がかかるのか」というのもうさぎによってまったく違います。
全然トイレでおしっこやうんちをしてくれない、覚えてくれない。と思ってもあせらないで、うさぎのペースにあわせてしつけをおこないましょう。根気強く教えていけば、うさぎもわかってくれます。
また、トイレが上手にできないからといって叱ってはいけません。うさぎがこわがってしまい、逆にトイレを覚えることをしなくなってしまう恐れも。それだけではなく、飼い主さんのことを嫌いになってしまう可能性もあります。
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いつからしつける?新しい環境に慣れてから
トイレをしつけるタイミングは、お家にうさぎを迎え入れて、1週間くらい経ってからおこなってください。はじめの1週間は、新しい環境に慣れさせる必要があるからです。
また、うさぎの様子をみながら、あせらずに、うさぎのペースにあわせてしつけをおこなっていくと、トイレをちゃんと覚えるようになります。
トイレの位置はケージの隅に置く
最初は、ケージの隅に置いてみてください。
うさぎは、安心できる場所でトイレをします。ごはんと寝床からなるべく離れた場所。落ち着いておしっこやうんちができる、ケージの隅に置いてください。
野生のうさぎも、寝床から離れた場所でトイレをします。ごはんを食べる場所の近くや、寝る場所の近くだと、うさぎだってやっぱりイヤですよね。そうなるとトイレではしてくれません。
また、うさぎがトイレ以外のいつも決まった場所でおしっこやうんちをするのであれば、そこにトイレを置いてあげましょう。
そこがうさぎの中でトイレの場所と決まっているからです。無理に飼い主さんが決めた場所でさせるのではなく、うさぎのこだわりを優先してあげてくださいね。
トイレのしつけ方法
トイレのしつけをおこなうには、いくつかの方法があります。
1.おしっこのにおいがついた、トイレ砂やティッシュなどをトイレ容器の中に置く
うさぎは自分のおしっこのにおいがする場所や、同じ場所でトイレをします。そのため、においをつけておいてあげると、トイレだということを理解してくれます
2.しっぽを持ち上げて、おしっこやうんちをしそうなそぶりをみせたら、そのたびにトイレにつれていく
最初はわからないかもしれませんが、うさぎを観察していると、「今おしっこしたいんだな」と、動きでわかるようになります。
飼い主さんがうさぎのおしっこのタイミングをわかるようになれば、ベッドの上やお部屋の隅などでおしっこされるのを事前にふせぐこともできます。
3.ちゃんとトイレの場所でおしっこやうんちをすることができたら、ほめてあげる
それがたまたまできたことだとしても、たくさん声をかけて「すごいね」、「えらい!」 と、ほめてあげると、うれしくて徐々にトイレを覚えてくれます。
ちゃんと言葉にしてうさぎに伝えてあげることで、うさぎも飼い主さんの思いをちゃんと理解してくれるようになります。
うんちのしつけ
うんちもちゃんとトイレでしてくれますが、トイレだけを使ううさぎはなかなかいません。うさぎはたくさんうんちをします。
そして、うんちをすることで、
- 自分のなわばりを主張
- 好きな相手のまわりにもうんちをしてアピール
- 嫌いな相手のまわりには、イヤがらせの意味でうんちをする
- 飼い主さんのまわりにするときは自分のことをアピールしている
トイレ以外のところでもしてしまうものなので、叱らないであげてくださいね。
おしっこのしつけ
おしっこも、うんちと同じく自分のなわばりを主張するためにトイレ以外のところでもすることがあります。それは、「スプレー」という行為で、うさぎの本能です。メスでもスプレーをおこないますが、とくにオスがすることが多いです。
また、飼い主さんのことが好きで、においづけのためにおしっこをすることも。反対に、イヤなことをされたことがある嫌いな相手にも、怒っておしっこをかけることもあります。
本能はしつけではやめさせることができないので、怒らないであげてくださいね。
しかし、うんちはまだコロコロで掃除がしやすくても、おしっこは毎日トイレ以外のところでされては、お掃除も大変ですよね。
本能からくる行動でなければおしっこのしつけはできます。
- トイレの場所がまだよくわからなくて、別の場所でおしっこをしたら、においが残らないようすぐにふき取ってください。ふき取ったら、うさぎにも安全な消臭スプレーをかけてにおいを消しましょう。
- 飼い主さんにおしっこをかけることや、まわりにうんちをするときには、なにかのアピールの可能性が高いです。イヤなことをしていないか、ちゃんとかまってあげているか、考えてみましょう。
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トイレでうんちをしなくなった場合
うんちについては、トイレだけでするうさぎは少ないです。いつもトイレではなく、別の場所でするようになったら、
- 発情期
- なわばりの主張
- 自己アピール
などの可能性があります。発情期やなわばりの主張は、本能でおこなっているのでしつけることはできません。自己アピールの場合は、飼い主さんにもっとかまってほしいとうったえています。
うさぎとのあそぶ時間や、かわいがる時間を増やしていけば、またトイレでしてくれるようになる子もいます。
また、高齢うさぎはきちんとトイレですることができなくなってきます。
年をとって、トイレを失敗するようになったら、
- ペットシートを床にもひいてあげると、お掃除もしやすい
- おしっこのあとは、おしりをふいてあげる
- うんちもこまめに掃除する
このように、飼い主さんがしっかりサポートしてあげましょう。
トイレ掃除の方法
トイレを掃除するときは、うさぎがなめてしまっても大丈夫なうさぎ専用や、ペット専用の消臭剤や、尿石取りを使いましょう。
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トイレ掃除のポイントは、
- うさぎがちゃんとトイレの場所がわかるように、においをとりすぎないよう気をつけましょう。
- 掃除のときには、うんちやおしっこの状態をチェックしましょう。
おしっこは、色や量をチェックします。うんちは、色や大きさや形をチェックしましょう。
毎日の健康チェックはとても大切。とくにうんちやおしっこは、体調の変化が出やすいので、お掃除のときにも必ずチェックしてくださいね。
トイレ掃除の頻度
うさぎはとってもきれい好きです。トイレ掃除は毎日おこないましょう。
また、毎日掃除をしないと、すぐにうんちがどっさりたまってしまい、おしっこはこびりついてしまいます。
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うさぎの体の大きさによっても量は変わってきますが、最低でも1日1回は掃除をして、トイレやケージは清潔に保ってあげてください。
放し飼いの場合のトイレ事情は?
放し飼いのうさぎのトイレ事情は、その子の性格なども関わってきます。
放し飼いにしていても、トイレをするときは、きちんとケージに戻ってするうさぎもいれば、なわばり意識が高いうさぎの場合は、おしっこやうんちをまき散らす子もいます。
そのため、放し飼いにするときは、
- ある程度のスペースをサークルで区切る
- スペースには洗えるマットや大きいペットシーツなどを床に敷く
最初はそのスペースで様子をみてみましょう。そうすることで自分の飼っているうさぎが放し飼いになった場合のトイレ事情がみえてきます。
わざとおしっこをまき散らすような場合。サークルのスペースを狭くして、問題ないような子であれば徐々にサークルのスペースを広めていきましょう。
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うさぎがトイレを持ち上げるようになった場合
うさぎがトイレを持ち上げているときは、退屈でかまってほしいときや、トイレの位置が気に入らないときなどがあります。
持ち上げてガタガタ音をならしているときは、最初はやさしく「ダメだよ」と声をかけましょう。それでもずっとやっているようなら、少しだけ一緒に遊んであげましょう。
トイレを持ち上げているときに、すぐにケージからだしてたくさん遊んでしまうと、「こうしたら遊んでくれる」、と思うようになってしまいます。
うさぎの様子をみながらほどほどにかまってあげましょう。
それでもおさまらない場合は、トイレの位置が気に入らないからやっている可能性があるので、トイレの位置を変えてみましょう。
私が飼っているうさぎも、トイレを覚えてきた! と思った矢先にトイレを持ち上げてガタガタさせたり、トイレの横に頭だけ隠れていたり、トイレ容器を使っていろんなことをしていました。
うさぎはこんなところでも、感情表現豊かな性格をみせているんですね。
トイレ砂を食べている、やめさせる方法は?
トイレ砂には、うさぎ用に食べてしまっても大丈夫なものもあります。しかし、もともと食べものではないので、やはり体にはよくないですよね。
トイレ砂を食べるようになってしまったら、お腹が空いて食べている可能性があります。
牧草はいつでも新鮮なものを食べられるようにしているか、ケージの環境を見直してみましょう。イタズラで食べてしまっている場合は、トイレの容器を変えてみる、またはトイレ砂をやめてトイレシーツだけにすることもひとつの方法です。
まとめ
うさぎにも、トイレのしつけはできます。
しかし忘れないでほしいのは、本能でする行動や、うさぎそれぞれの性格によってもトイレ事情は変わってくるということ。100%完璧にできる子はごくまれでしょう。
ある程度のしつけは必要ですが、100%を求めることは、うさぎにはストレスになってしまうこともあるので、それなりに覚えてくれたらよし、くらいの気持ちでいましょう。
うさぎのトイレのしつけのポイントは、
- うさぎのペースにあわせる
- うまくできなくても叱らない
- できたときはたくさんほめてあげる
なにかイタズラをしているときなど、ダメなことをしていたら叱ることが必要なときもあります。しかし、トイレに関しては、叱らずにやさしく見守ってあげてください。
きびしくせずに、うさぎの様子をみながら、その子のペースにあわせてしつけをおこないましょう。
この記事を書きながら、私が飼っているうさぎがトイレを覚えるまでのことを思い出しました。
はじめは、トイレの容器ににおいをつけてみて、うさぎもなんとなく、「ここがトイレかな?」とわかっているような感じでした。だけど、トイレが置いてあるすぐ横のスペースでおしっこをしてしまうようになり、その上から牧草をかけて、おしっこをしたことを隠すのです。
その行動には感心しましたが、「このままでは困るのでなにか対策をしなければ」と考えました。
私はすぐにトイレの位置を変えることはせず、おしっこしているのをみつけるたびに、きれいにふいて消臭剤でにおいをとる。きれいにすることを毎日おこなっていました。
また、ふいているときにうさぎが寄ってくると、うさぎを抱きかかえてトイレの上に置き、「トイレはここだからね」と声にだして教えていきました。
少し時間はかかりましたが、いつからかちゃんとトイレでおしっこをしてくれるようになりました。
100%完璧を求めるのではなく、うさぎの意思を大切にして、「しつけをする」ということや、「うさぎの成長」を楽しみながら、うさぎとのステキな生活を送っていってくださいね!
うさぎの飼いかたで、わからないことがあるなら、【うさぎの飼い方大辞典】初心者にもわかる77項目のはじめかたガイドも合わせごらんください。
出典:【新版】写真いっぱい!かわいいうさぎ品種&飼い方 監修 さいとうラビットクリニック院長 斉藤久美子
もっと知りたいうさぎの秘密「うさごころ」がわかる本 シャンテどうぶつ診療所 寺尾順子 監修 井口病院 イラスト
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