うさぎを交尾・繁殖させたい! うさぎが発情した……でも何に気をつければいいの?
そんなあなたへ、うさぎを繁殖させるときの注意点や、また出産時に飼い主さんがすべきことなどを徹底的に解説します!
うさぎの交尾
うさぎの交尾は、自らの子孫を残すための生理的行動。
成熟したオスとメスが近くにおり、かつ相性が悪くなれば、すぐにはじまってすぐに終わるのがうさぎの交尾なのです。
早速ですが、実際のうさぎの交尾を動画で見てみましょう。
音声あり
オスが倒れていますが、これには何も問題はありません。
- 交尾の後に「キーッ」と鳴く
- 後ろに倒れる
- 倒れた後数秒間動かなくなる
このような行動が見られることがあります。しかし、どれも交尾が行われた合図です。
あたたかく見守ってあげましょう。
うさぎを繁殖させる前に
うさぎを繁殖させるときは、飼い主さんが責任を持っておこなわなければいけません。
うさぎの出産数は、1回の出産で約4~10羽。
繁殖をさせると決めたら、
- 産まれた子どもをきちんとお世話してあげる環境を整える
- 信頼できる譲り先を前もって決めておく
このふたつは必要不可欠です。
母うさぎと共に、新しい命を大事にしていきましょう。また、繁殖・出産前に注意しておきたいことが複数あります。ご確認ください。
- はじめての発情での交尾
- 出産経験がないまま2歳をすぎた
- 5歳以上の高齢
- 健康状態が万全ではない
- 太っている
- 前回の出産より12ヶ月以上たっていない
- 親子・きょうだいなど近親うさぎとの繁殖
- 異常な子ウサギが産まれたことがある
これらに該当するうさぎはまず、繁殖をさせないようにしましょう。理由はさまざまですが、母うさぎの健康に関わることが多く、また胎児がいる状態で母体が弱ると、胎児が母体のエネルギーとして吸収されてしまうことも!
そうなることを防ぐためにも、これらの条件に当てはまらない、健康的で若いうさぎたちを交尾させるようにしましょう。
出典:田向健一『かわいいウサギの飼い方・育て方』
うさぎの繁殖年齢はいくつから?
うさぎの繁殖は、性成熟を迎えてからできるようになります。
性成熟は、オスは5~8ヵ月くらいから、メスは4~7ヵ月くらいからが目安。なお、あくまで目安なので、少し早い・遅い程度なら問題はありません。
性成熟を迎えると、オスは左右ふたつずつの睾丸が確認できるようになるので、見た目で性別の区別がつきやすくなります。
念のため、自分のうさぎの性別はあらためて確認しておきましょう。
出典:ペットの未来クリニック
うさぎに交尾時期(発情期)はあるの?
うさぎの発情期は、一定の周期があるのみなので、ほぼ1年中交尾可能です。
メスは10日程の発情期と2~3日ほどの休止期を1セットに、1年中繰り返しており、オスはメスの発情に合わせて発情することができます。
また、発情期には以下のような行動が見られます。
うさぎの交尾時期(発情期)オスの場合
◇ぬいぐるみや飼い主さんの腕や足にマウント(背後に乗っかって腰を振る行為)をする
◇スプレー行動(おしっこを飛ばす)をして縄張りを主張する
◇ソワソワして落ち着きがなくなる
◇スタンピング(後ろ足をその場でダンダンと踏みならす)をする
◇肛門脇の臭腺から分泌物を出したり、アゴの臭腺の分泌物をこすりつけたりする
うさぎの交尾時期(発情期)メスの場合
◇ぬいぐるみや飼い主さんの腕や足にマウントする
◇警戒心が強くなり、気性も荒くなる
◇スタンピングをする
◇トイレの掃除のためにケージ内に人が手を入れると攻撃してくるというように、
巣を守ろうとするかのような行動をする
◇肛門脇の臭腺から分泌物を出したり、アゴの臭腺の分泌物を周りの物にこすりつける
引用:みんなのどうぶつ親子手帳
とくにマウント(マウンティング)に対しては、無視をするという方法が効果的です。
うさぎの好きにさせてしまうと、うさぎが「飼い主さんよりも自分がえらいんだ!」と思ってしまい、わがままになってしまう可能性が。
うさぎをしつけるためには、マウンティングにかまわない、またはおもちゃを与えて気をそらすといった対処法がおすすめですよ。
うさぎの重複妊娠には注意
うさぎの子宮は特別な構造をしており、なんと1度にふたつの妊娠をすることがあるのです。この現象を「重複妊娠」(または過受胎)といいます。
イギリスの総合学術雑誌『ネイチャー』で発表された研究で、メスのヨーロッパノウサギが重複妊娠をおこなった、という結果が報告されています。
ノウサギだけでなく、一般的に飼育されているうさぎ(カイウサギ)にも見られる現象のため、あなたのうさぎが重複妊娠をするという可能性もあります。
子宮の構造上起こる現象なので、重複妊娠をすること自体には問題はありません。しかし、出産は母うさぎの体力を大きく奪う大変なこと。二重に出産するとなるとそれだけでも大変なので、極力避けさせたいことです。
うさぎたちの交尾が済んだら、
- 再び交尾をはじめる前に別々のケージに戻す
- メスをオスと一緒にしない
- そもそも妊娠をさせたくない場合は、不妊手術をする
これらのことに気をつけていれば、まず重複妊娠は避けられます。ぜひとも実践して、メスの体をいたわってあげましょう。
うさぎが妊娠したか確認する方法
うさぎの妊娠の兆候が出はじめるのは、妊娠から3週間ほど経ってから。この頃から、食欲が大幅に増してくるようになります。
産まれてくる子うさぎたちのために、たくさんの栄養を摂る必要が出てくるので、ペレット・牧草を食べたいだけ食べさせるようにしましょう。これまでの2倍量にするのが目安です。
妊娠したうさぎ用のペレットもあるので、それを与えてみてもよいでしょう。
また、交尾から25日ほどが経過するといよいよ出産間近に。母うさぎは巣作りをはじめます。
このとき、自分の毛を抜く行動が見られますが、これは赤ちゃんの寝床を作るための行動なので問題はありません。
うさぎが安心して巣作りできるように、
- 巣箱がない場合はこの頃には設置する
- 巣作り用のワラや長めの牧草を用意
- うさぎに必要以上にかまわないようにする
これらのことに気をつけてすごしましょう。
出典:田向健一『かわいいウサギの飼い方・育て方』
偽妊娠について
発情後のメスのうさぎは、まれに「偽妊娠」という行動を起こします。
これは、実際は妊娠していないメスのうさぎが、妊娠したときのような行動をとることをいいます。
メスのうさぎが実際に交尾をしなくても、
- オスの近くによる
- メス同士でマウンティングをする
- 飼い主さんにお尻を触られる
などちょっとした刺激で偽妊娠が起こることもあり、防止するのはなかなか難しいことです。
偽妊娠をしたうさぎは、
- 神経質になる
- 巣作りをはじめる
- おっぱいが張る
など、妊娠したときと同じような行動・現象が見られます。
偽妊娠のときは、巣作りのためにむしった毛を後から食べてしまう、母乳が溜まっておっぱいが腫れてしまう(乳腺炎)といったトラブルが起こることも。
それを起こさないためにも、まず巣作りをしたときには、毛を片付けてしまうことが大事です(必ずうさぎを巣から出し、外で遊ばせるなどうさぎの目に入らないようにやりましょう。
また、おっぱいに腫れが見られたときには、動物病院に連れていきましょう。
出典:町田修『ウサギの飼い方・楽しみ方』
うさぎの出産後のお世話
出産前後の母うさぎはとても神経質。ちょっとした刺激がストレスになりやすいので、お世話のときに気を配ることが大事です。
子が乳離れする生後6週間ほどまでは、母うさぎへのエサはこれまで通り多く与えてください。
エサや水を交換するとき以外は極力うさぎにかまわず、そっとしておいてあげましょう。
ここで大事なのが子うさぎには触らないこと。飼い主さんのにおいがついてしまうと、育児放棄のリスクが高くなってしまいます。注意してください。
生後3週間のうさぎのお世話
生後3週間ほどで、子ウサギたちは母乳以外のものを食べられるように。水でふやかしたペレットや、やわらかい牧草などを少しずつ与えていきましょう。
生後6週間のうさぎのお世話
生後6週間をすぎると、子うさぎたちが離乳をはじめてきます。この頃から母うさぎのエサの量を少しずつ減らし、元の量に戻していきましょう。
生後8週間のうさぎのお世話
生後8週間ほどにもなると、大体の子うさぎたちが離乳を終えて一人前に。母うさぎと離して、それぞれのケージを用意してください。このとき、環境変化によって体調を崩しやすくなるため、うさぎたちの体調には十分気を使ってあげてください。
出典:田向健一『かわいいウサギの飼い方・育て方』
うさぎが透明な液体を出している
うさぎが透明な液体を出している場合は、その液体を出している部位によってさまざまなことが考えられます。
うさぎの透明な液体がおしっこの場合
まず考えられることは、その透明な液体がおしっこであること。
うさぎのおしっこは、食べたものやちょっとした体調変化で色が変わりやすいもの。
透明なおしっこをしている場合は、水分の摂りすぎであることがまず挙げられます。腎臓疾患の可能性もないとはいえないので、心配なときは動物病院で診てもらいましょう。
うさぎの透明な液体が精子の場合
うさぎがオスの場合は精子であることも考えられます。
うさぎの精子は無臭で透明、ゼリー状のものであることが特徴です。この場合はとくに問題はありません。
うさぎの透明な液体がメスの性器からの場合
液体がメスの性器から出ている場合には何かしらの疾患が考えられます。
ほかにも透明な液体を出す原因はありますが、原因に検討がつかないときには、まず動物病院に相談してみましょう。
まとめ
今回はうさぎの交尾や妊娠についてご紹介しました。ぜひ覚えていってほしいポイントは、以下の通りです。
- 親にするうさぎは、成熟した健康なうさぎを
- うさぎの繁殖時期は基本的に1年中
- マウンティングにはしっかりした態度を示す
- 妊娠したうさぎにはたくさんの栄養と安心できる空間を与える
- 重複妊娠は極力させないように
- 偽妊娠には必要に応じた対応を
うさぎの交尾は、新たな命を産み出すための行為。繁殖をさせるときにはよく考えて、親うさぎ、子うさぎの今後を保障できる環境を整えてからにしましょう。
命に責任を持って、よりよいうさぎライフをすごしてください。
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